欧州将棋指導旅行(4号,1997.3.3)

 10月11日から十日間、野月四段とヨーロッパの将棋支部へ指導旅行に出かけて来ました。たくさんの熱心な外国人将棋ファンと出会うことができ、大変有意義な滞在となりました。(北島忠雄四段(段位は執筆当時のもの- Webmaster 註)) 

指導対局10月11日(金)
4時ヒースロー着。支部長のブラックストックさんに迎えて頂く。別便で到着の野月四段と無事合流。ロンドン滞在の打ち合わせを少々。
10月12日(土)
終日市内観光。バッキンガム宮殿、ウェストミンスター寺院など。
10月13日(日)
2時30分よりダイワファンデーションにて指導対局。イギリス人7名、日本人3名の合計10名が参加。野月4段とそれぞれ四面指しで指導。7時まで。終了後、パブにて歓談。
10月14日(月)
空路オランダへ移動。夜8時から市内のチェスクラブで指導。オランダ人8名が参加。3面指しで10時30分まで指導。
10月15日(火)
支部の世話役ホーランダーさんの案内で市内観光。
10月16日(水)
ブローマスさんの案内で市内観光。モーレン、マルケン島等。
10月17日(木)
終日市内観光。国立美術館。
10月18日(金)
空路フランクフルトへ。支部長エンゲルハートさんの車でバイルブルグのホテルへ移動。夕方から2時間程度、大会参加者へ指導対局。夕食後、1時間程度指導。
10月19日(土)
大会初日。今回の参加者はドイツ13名、フランス6名、オランダ6名、ベルギー6名、日本4名、イギリス1名、スウェーデン1名、合計37名。大会は持ち時間1時間、秒読み30秒でスイス式トーナメント5回戦。この日は3回戦まで。1日目終了後1時間程度指導対局。
10月20日(日)
大会2日目。後半戦の2局。3時に全行程を終了。第6回ドイツオープン優勝は5戦全勝のオランダのマーク三段。準優勝は三枝樹三段。日本人女性の福村八重さんが健闘し、級の部で入賞を果たした。表彰式の後、指導を2時間程度。
10月21日(月)
夕方までフランクフルトを観光し、帰国。

ヨーロッパの感想
 ヨーロッパでは、ドイツ大会・フランス大会・ベルギー大会・イギリス大会・オランダ大会・ヨーロッパ選手権の六つが主要トーナメントです。囲碁やチェスに比べて愛好者の数は少ないですが、年々増加の傾向があり今後益々の発展が期待出来そうです。
現在スポンサーが付いているのはヨーロッパ選手権だけで、(リコーが協賛)他の大会は参加者の会費によって運営されています。ヨーロッパの場合陸続きとはいえ、長距離移動の交通費、また宿泊代などの個人負担はけして小さい物ではないでしょう。私の考えでは、(かなり虫の良い希望ですが)それぞれの大会にリコーのケースのような協力が得られれば、大会参加者も増え、最も効果的な普及の足掛かりになるように思われます。
海外に道場を作るとか棋士を常駐させると言った実現の困難な意見より、スポンサーを探して現在行われている大会を盛り上げて行く方が現実的な気がするのですがいかがでしょうか。外国から選手を日本へ招待して世界選手権を開催するとか、将棋が強くなることへの色々な目標なりメリットなりを作ることが将棋人口を増やす有効な方法と考えます。

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