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    <title>かけはしアーカイブズ - 将棋を世界に広める会: 人物紹介コーナー</title>
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        <title>人物紹介コーナー - ライエル・グリンベルゲン教授(48号、2009年11月22日発行）</title>
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        <published>2010-03-24T14:58:00+09:00</published>
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p>前回から、新たな企画として立ち上った、『人物紹介コーナー』。今回は第2回として、ライエル・グリムベルゲン氏を紹介します。</p>

<p>　グリムベルゲン氏と言えば、既にご存知の方も多いことと思います。「将棋世界」や「週刊将棋」への寄稿も数多く、ヨーロッパでの将棋の強豪として知られ、将棋ソフト「ＳＰＥＡＲ」の製作者。そもそも、古くからのＩＳＰＳの会員でもあります。今回、八王子にあります、勤め先の東京工科大学の研究室に伺い、インタビューをしました。</p>

<p>　それでは、ライエル・グリムベルゲン教授を紹介いたします。
</p>

<p>　八王子のみなみ野駅近くにある、東京工科大学。広いキャンバスに立派な校舎が立ち並んでいる。コンピュターサイエンス学部・グリムベルゲン教授の研究室は、キャンパス中央にある、まるで円弧の一部を切り取ったような形の研究棟Ａの八階にあった。訪れたのは、8月下旬。学生の姿もまばらで、静かさに覆われた研究棟。殊に、八階のフロアーは静寂そのもの。足音だけが響く。やがて、ドアーの表札に教授の名前を見つけ、気息を整え、ノックした。<br />整った姿。顔立ち。目からは気品と共に優しさが漂ってくる。オランダ出身、42歳。大学では、人工知能・認知科学・ゲームプログラミングの講義・研究を受け持つ。将棋も強い。オランダチャンピオン6回、ヨーロッパチャンピオン３回。現在、四段の腕前。</p>

<p>「いつ、将棋を覚えられたのですか」と、先ず最初に聞いてみた。</p>

<p>「ナイメーヘン大学、１年のとき。たまたま将棋を知っている人がいて、将棋を教わりました」</p>

<p>　大学に将棋を知っている人がいたことも不思議だが、覚えてから２年ほどで初段になったそうだ。上達の早さに驚くと、｢元々、チェスをやっていましたから｣と、こともなげに答えられてしまった。</p>

<p>「なぜ、将棋にそれほど興味を持たれたのですか」との問いに、</p>

<p>「将棋がゲームとして優れているからです。『取った駒を味方として使う』、このコンセプトがとてもユニークだと思いましたし、チェスでは、終盤になるにつれて次第に駒が減って行ってしまうのですが、将棋は減りません。最後まで複雑さが持続し逆転の可能性が非常に高く、エキサイティングなのです。この魅力に取り付かれました」との答えが返ってきた。</p>

<p>　人工知能への興味は、人間の認識の問題と繋がっているらしい。子供はどうやって認識を開始しているか。人々はどのように物事を認識しているのか。コンピュータプログラムの作成の過程で、人間の認識の問題に迫ることができるのではないか。このような問いが研究の根底を占めているようだ。</p>

<p>「現在、先生は将棋のゲームソフト『ＳＰＥＡＲ』を開発しています。研究とどのような関連があるのですか」。人間の認識への探求とゲーム開発、関連性がつかめないので尋ねた。</p>

<p>「人間の一般的な認識は非常に複雑で、直ぐにはアプローチができないのですが、この点、ゲームでの思考や認識は単純です。一手一手、着実に読んでいくことが、勝利につながっていきます。プロ棋士たちが、どのように考えているのか、コンピュータに取り込ませることは、人間の認識に近づく道だと思っています。なにしろ、ゲームは非常に小さな世界ですので、思考の問題を極めて単純化できるのです」</p>

<p><a href="http://shogi-isps.org/photos/uncategorized/2010/03/24/20103024_reijer.jpg"><img border="0" src="http://shogi-isps.org/photos/uncategorized/2010/03/24/20103024_reijer.jpg" title="20103024_reijer" alt="20103024_reijer" class="image-full" /></a>


</p>

<p>　まだまだ聞きたい事は山ほどあるのだが、将棋の普及やＩＳＰＳのあり方などに話題を移した。</p>

<p>「ＩＳＰＳの内部的な仕事の内容や細かなところに関しては、あまり知らないのですが、全体として良くやっているのではないでしょうか。中国での将棋人口の大幅な拡大、ヨーロッパやモンゴルなど様々な地域での普及活動。厚みと範囲が拡大されて来ていると思います」</p>

<p>「ヨーロッパの人々は、将棋のどのような点に惹かれて始めようとするのでしょうか。日本文化に対する関心などが、入り口になるのでしょうか」</p>

<p>「それは様々だと思います。文化に対することから、将棋を手にする人もいれば、そうではない人もいると思います。私の場合は、純粋に将棋のゲームとしての優秀性に惹かれました」</p>

<p>「ヨーロッパでの普及については永い期間取り組んでいるのですが、中々、中国のように将棋人口が増えていかないのはなぜだと思いますか」</p>

<p>「それは難しい質問ですね。一つには、漢字についてヨーロッパと中国では親しみに差があるのは確かだと思います。もう一つは、ヨーロッパにはチェスが既にボードゲームとして定着していて、将棋をする人は、将棋を一つのオプションとして捉えている傾向があります」</p>

<p>「戦争を模したゲームであるのに関わらず、死んだ駒が再び相手の駒となって働き出す。これに違和感があるのではないですか」</p>

<p>「それは全くありません。ゲームには様々なものがあり、将棋も、様々なゲームの一つとして捉えています」</p>

<p>　インターネットでの将棋普及に関しても尋ねた。コンピュータの専門家であるから、インターネットでの普及には積極的な賛同が得られるのではないかと思ったのだが、意外な答えが返ってきた。</p>

<p>「将棋は、対人で行うものだと思っています。インターネットでの将棋はあまり好きではありません。普及に関しても、世界各地の遠く離れた人々と対戦できるメリットはあるとしても、各地に「点」を創るのに留まります。先ずは小さな「スノーボール」を創る必要があり、それを回転させるエネルギーを必要とします。ヨーロッパに関して言えば、既に、多くの小さなスノーボールはできているのですが、それが中々回転しないのです。どのようにヨーロッパで回転を引き出したらよいか。原因の究明と方法の確立。それが問題なのです」</p>

<p>　最後に、娘さんの理紗さんに話題を移した。以前、『将棋名人にしたい』という記事を目にしていたので、まだ夢は持ち続けているかどうかを尋ねた。よほど愛しているのだろう。瞬間、真剣な顔が突然崩れ、すっかり父親の顔が現われた。</p>

<p>「棋士は大変な職業だし、とても特殊な職業だと思います。趣味としては素晴らしいのですが、仕事となるると、かなりストレスがたまりそうですね。舞台などに立つような仕事の方がいいのではと今は思っています」</p>

<p>　名人位をとる女性の出現は、しばらく待たなければならないかもしれない。<br />松岡信行</p></div>
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        <title>人物紹介コーナー　トゥムルバートル・デレグ氏（47号、2009年7月26日発行）</title>
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        <published>2009-11-28T22:50:00+09:00</published>
        <updated>2010-03-24T13:33:55+09:00</updated>
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p>　今回から、新たな企画として、『人物紹介コーナー』を立ち上げます。国内外で、将棋の普及に力を注がれている人々を取り上げ、紹介していきます。もちろん、人物そのものに焦点を当てていくわけですが、人物を囲む周りの風景をどれほど伝えることができるかが、このコーナーの成否。肩の力を抜きつつも気息を整えて取り組んで行きたいと思います。<br />
それでは、第１回としまして、モンゴル国のトゥムルバートル・デレグ氏を紹介します。（<strong>松岡信行</strong>）<br />
 <br />
　モンゴルから最近、トゥムルバートル氏が来日されたという情報が得られたので、５月２７日、早速、モンゴルの将棋の事情を知ろうと取材に伺った。会って、先ず驚いたのは日本語の堪能なこと。それもそのはず、モスクワ大学で日本語を学び、東京外国語大学に留学。日本文学をモンゴル語に翻訳する作業を進められているとのことだ。さらに驚いたのは、翻訳の内容。川端康成の「伊豆の踊り子」、大江健三郎の「不意の唖」、司馬遼太郎の「最後の将軍」「明治という国家」。その他、芥川龍之介・伊藤左千夫・夏目漱石、更に現在は三島由紀夫の「潮騒」、新渡戸稲造の「武士道」を翻訳中とのこと。モンゴルに日本の文化を紹介しようと、「ニッポン・ニュース」を発行し、更には、モンゴルの「大相撲中継」の解説者としても活躍というのだから、思わず、<br />
「トゥムルバートルさん以外に、日本を紹介できる人が居ないのですか」<br />
　と聞いてしまった。<br />
「たくさんいますよ」との答え。少し安心した。</p>

<p> <a href="http://shogi-isps.org/photos/uncategorized/2009/11/28/kakehashi47005_2.jpg"><img border="0" class="image-full" alt="Kakehashi47005_2" title="Kakehashi47005_2" src="http://shogi-isps.org/photos/uncategorized/2009/11/28/kakehashi47005_2.jpg" /></a></p>

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</style><em><span style="font-size: 9pt; font-family: &quot;小塚明朝 Pro R&quot;;">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　トゥムルバートル氏と米長会長</span></em>





</p>

<p>　実は、トゥムルバートル氏は、既に「モンゴル将棋協会」を立ち上げ、非公式ながら２００７年には、小規模な将棋大会を開催。今回来日し、会長として、正式にモンゴル将棋協会を日本将棋連盟普及部に登録申請をおこなった。既にモンゴル法務省に正式に認可も得ている。今回、日本将棋連盟をはじめ、様々な関係団体との幅広い交流を求めて来日された。米長会長とも既知であり、将棋連盟訪問の際には面談が実現し親交を深めている。もちろん関係団体の筆頭はISPS。これには、2007年からの寺尾理事の現在副会長エルデニバートル氏とのインターネットを通じての交流や、ISPSからの援助がベースになっている。トゥムルバートル会長の来日により、モンゴルへの将棋の普及は、新たな段階に突入した。<br />
「我々の援助として、どのようなことを望まれますか」<br />
　と尋ねたところ、次のような答えが返ってきた。<br />
「モンゴルに将棋を広めようと言うのは、将棋そのものの普及もさることながら、素晴らしい日本文化との交流により、モンゴルの文化を高めて行きたいということです。方法の一環として将棋を捉えています。私の一番望むのは、経済的援助や物質的な援助ではなくて、人的なつながり、友人としての交流です。それを通じて人としての成長を願っているのです。子供同士の交流は非常に大切です。将棋の持つ文化的な背景、取り組む姿勢やマナーを含めての道徳的な側面は、モンゴルの子供の成長にとても有効だと思っています。ホームステイなどの実現を図って行きたい。今、モンゴルでは確かな人材の育成が急務なのです。モンゴルの国のあり方や方向性を見据えるための思考力を身に付けた若者が必要です。将棋は確かにこの目的に叶うもの。将棋の普及を短期間で成し遂げたいのです。私は、そのためのコーディネーターとして働きたいと思っています」<br />
　視点の広さと確かさに感動を隠せぬまま、<br />
「普及への具体策はお持ちでしょうか」<br />
　と、立て続けに問いかけていた。<br />
「現在、具体的な方法を持っているわけではありません。方法は、日本の将棋関係の方々と付き合っているうちに、自ずから生まれてくるのではないでしょうか。先ずは、日本文化全体を視野に入れた、将棋指導者の育成・人材の育成が急務だと思っています。現在、将棋の普及を首都のウランバートルだけではなく、近くの県に支部を設立しています。この動きを全国に広げて行こうと思っています」</p>

<p>　インタビューが終わると、眞田理事長・鈴木・宇都宮・寺尾各理事が加わり、歓迎のレセプションがひらかれた。先ずは飲み物の注文となったのだが、トゥムルバートル氏はアルコール類は一切口にしないと言う。飲めないわけではないらしい。モスクワ大学に留学していたころ、訪れた日本の大学の学生たちと随分と飲んだと言う。現在、アルコールを口にしないのは、モンゴルでは、酒を飲むものには社会的な地位は保証されないのだそうだ。モンゴルというと、すぐに馬乳酒を思い浮かべる、アルコールと縁の切れない私などは、モンゴル社会では生きられないかもしれない。<br />
　ともあれ、この日のトゥムルバートル氏との会見は、素晴らしいものとなった。大陸的風貌もさることながら、大陸にも負けない心の大きさ温かさに魅了された。日本将棋界は、また一人、大変な人材をモンゴルに持った。<br />
　現在、モンゴルの将棋人口は５０人程。まだ始まったばかりだが、トゥムルバートル氏を中心に組織は確定し、新聞・テレビを通じて日本の将棋の宣伝・普及を推し進めている。援助のあり方によっては、近い将来、中国での普及と同様に爆発的な将棋人口の増加が見込まれる。モンゴルの人口は250万人ほどだそうだが、チェスのグランドマスターを3名も輩出しているそうだ。ちなみに日本では、まだ一人も出ていない。相撲界だけではなく、モンゴルの人たちが日本の将棋界をも席巻する日が来るかもしれない。<br />
　ISPSとしては、この夏に鈴木良尚理事をモンゴルに派遣し、普及の方法を探ることをすでに決定し、現在（６月）、着々と準備を整えている。報告は次号でなされる予定。是非、お楽しみに。<br />
</p></div>
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