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かまくら国際交流フェスティバル(18号、2001.12.20)

 秋晴れの11月11日に、鎌倉の高徳院(大仏様)の境内で「かまくら国際交流フェスティバル2001」が開催され、将棋を世界に広める会も参加した。このフェスティバルは、鎌倉市が主催するもので、国際協力や国際交流に関わる市民団体が集まって日ごろの活動などを大仏様に参詣に来る観光客や鎌倉市民にアピールするという趣旨の催しである。(山田彰

 9時過ぎに大仏様の境内につくと、大仏様を取り巻く回廊に各団体のブロックが設けられ、準備が進んでいた。ISPSの机には、既に真田理事長がパンフレットや棋書を並べて待っている。回廊の柱に、外国人にも目立つように作ったポスターを貼って準備を整える。10時頃に鎌倉市長も現れ、フェスティバルの開会式が行われた。
 この日は快晴で観光客は多いが、鎌倉在住の理事長に言わせると、外国人の観光客は意外に少ないようだ。ISPSのブースを覗き込む外国人に声をかけて説明をする。「将棋をご存知ですか。将棋は世界で数多く存在するチェス・ゲームの一つですが、唯一取った敵の駒を再度盤上で使えるというルールを持っています。このため、終盤になるとチェスとは比べものにならないほど、複雑で興味深い展開が見られ・・・・・」興味を覚えた彼は、英文のルール説明と紙製の盤駒がセットになった将棋連盟作成の英文パンフを持っていった。外国人のための将棋教室開講中という掲示もしていたが、時間のない観光客にとっては、椅子に座ってじっくり将棋を教わるというわけにはいかないようだ。
 まもなく伊藤理事も登場し、その後ピノー理事も御夫人同伴で姿を見せる。ピノーさんがサクラ役になって将棋を指しているところを見せて、外国人にISPSブースに来てもらおうということで、ピノー・伊藤戦の対局が始まった。
 午後に入って、座って将棋を指そうという人もぼちぼちと出てきた。在京英国大使館の館員と大使館から民間会社に出向中の方、インターナショナルスクールに通う小学生(どこの国籍かは聞き漏らしてしまった)、日本に半年ほど住んでいるというイタリア人、時々ため息を漏らしながら真剣に将棋盤に向かう謎の?トルコ美人などが席に座って、将棋を教わった。
 ISPS会員の清水さんも参加して、外国人に将棋を教えていた。清水さんは、週末に池袋でボランティアとして外国人に将棋を教えているということだ。鎌倉在住の青柳さんという方は、フランス人のお婿さんのためにフランス語の将棋入門のパンフレットはないかとわざわざISPSのブースを訪ねてこられた。その場には持ち合わせがなかったが、後日理事長よりフランス語のパンフレットをお送りした。一人、フランスの将棋愛好家が生まれることを期待したい。この他、日本人で、当日のNHK将棋番組で出た懸賞詰将棋の回答を教えて下さいと言う人やグループでやってきて久しぶりに将棋でも指してみたいという若い人もブースの机に座ったが、いつのまにか午後3時となり、大仏参詣の人の波は途切れなかったが、フェスティバルはお開きの時間になった。
 用意していた英文の棋書や携帯用布製将棋盤は売れなかったが、無料の英文パンフレットはすべて捌けてしまった。席に座って将棋を指した外国人は8、9人であったろうか。
 フェスティバルには、鎌倉周辺で活動するアムネスティの支部やユニセフ協会などの団体がブースを出していたが、当日の活動の中心は会の日ごろの活動を知ってもらうよりバザーで資金集めというところが多いようであった。評論家的に言えば、鎌倉市の方もフェスティバルにどういう意義を持たせようとしているか、誰が訴求ターゲットなのかなど、コンセプトがはっきりしていないという感じである。翌週の国際将棋交流会でも感じたことだが、ISPS自身も日本にいる外国人に如何に将棋を知ってもらい、指してもらえるようになるか、もっと工夫が必要であると感じた。
 ともあれ、すばらしい天気に恵まれ、のんびり将棋を普及した一日であった。』

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