祝辞にかえて(50号、2010年10月9日発行)
将棋を世界に広める会が今年で15年になるという。長い間、普及活動ご苦労さまでした。と言うよりも有難うございました。
眞田尚裕さんにお会いしたのが12年前。NPO法人を立ち上げたいと相談されたのが初めです。やはり組織として動き、それを法人化し、認定してもらう手順 はいろいろ苦労が多いとお聞きしました。それを乗り越え、多くの同志と海外に出掛けて行っての活動は、民間ならではの自由さがあって羨ましい限りでした。(日本将棋連盟会長 米長邦雄)
日本将棋連盟としましては、あまり口出しすると言うか、干渉するようなことは一切しないようにしております。やはり、アマチュアの方々が何の制約もなく、のびのびと動かれる姿は楽しそうであり、頼もしいものです。
将棋は日本独自の伝統文化です。同じ将棋の仲間は、現在では40種類あるらしい。そんな事情があるので、日本の将棋だけを世界に普及するというのは極めて難しい条件下にあるのです。そこが囲碁との決定的な差と言えるかもしれません。
将棋を世界に広める会は、世界各地に出掛けて行っては将棋を指し、パーティーをひらき、その足跡は海外普及の礎として、今後の普及に大いに影響を与えることと思います。世界に出て行くだけではなく、外国人を日本へ招待されているのも活動の一環にある。外国人を日本に招待した時などは、将棋を指すと言うことのみは大丈夫だろうが、宗教、民族、言語などいろいろ大変ではないかと想像しております。私としては、余り深くお付き合いはせず、しかし協力すべきことは出来るだけ惜しまないという姿勢で臨んできました。えてして普及部が前面に出てしまいますとNPO法人にとっては却って迷惑ということが多かろうと思ったからです。
今回節目を迎え、会員の皆様がますます充実した活動をされている様子を目の当たりにするにつけ、私も会長を退いた後には個人として入会したいなと思う次第です。これからも更なるご発展をお祈りしております。
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