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第二回日韓将棋チャンギ交流会実施報告とこれからの問題点

 第二回日韓将棋チャンギ交流会は別項のように計画通り実施しました。(眞田尚裕

 将棋を世界に広める会と韓国将棋協会とが協力して韓国での将棋普及と日本でのチャンギ普及とを目的とした交流事業を行うことに同意して、第一回の交流大会をソウルで開催したのが去年(2003年)11月のことです。その後韓国に日本将棋指導者養成所が創設され、今年の新学期から韓国各地の小学校で将棋の課外授業が行われるようになりました。それからわずか半年足らずの間に、将棋に強い関心を持ち棋力も向上した小学生が来日することになった訳で、驚異的な普及のスピードであると言えましょう。
 これは、関係した大勢の方々のご努力のおかげです。中でも韓国側では将棋協会の朴副会長のご尽力、日本側では所司先生のご協力の賜物と深く感謝しております。
 「継続は力なり」という言葉がありますが、将棋の普及のために打ち上げ花火的に大会を行うのは、さほど難しいことではありません。しかし将棋を知らない国の人達に将棋を理解し楽しさをわかってもらって棋力も強くなった人が大勢いるという状態にまで普及させるのは容易なことではありません。
 韓国における将棋の普及はこれからが難しい第二段階に入るところだと思います。幸い近くて遠い国といわれた両国の関係は、昨今文化面を中心に急速に接近しつつあります。又来年は日韓国交正常化40周年にあたり「日韓友情年」としての各種イベントが行われると聞いています。 
 こうした風を受けて韓国での将棋普及が少なくとも,放っていても消えない火になるまで努力を続ける必要があります。
 当面の具体的課題としては、何と言っても指導者の強化でしょう。他の国では未だ見られなかった日本将棋指導者養成所と言うユニークなものが現存するわけで、今後これをどうしていくかが最大の課題です。全くのビギナーと、将棋の少し解かってきた人とでは、将棋の指導方法を変えるべきだと思います。特に小学生は日に日に棋力が向上しますから入門編だけの先生ではやっていけなくなるでしよう。このあたりのことに対応できる指導者を養成せねばならないのです。韓国の場合にはエリートコースを創って才能のある小学生を集めて教えることができたら効果は大きいと思っています。
 更に少し先の問題点としては日本での受入態勢があります。これは韓国だけに限らずですが、現在、将棋の天才児が留学で来日したとしても、住まい・学校の問題その他受け入れの準備は全くと言っていいほど整っていません。管理人のいる寮のような施設を造ったとしてもそれを継続的に,充分に活かしていくノウハウを確立しなければならないでしょう。 将棋を世界に広める会がこれから取り組むべき大きな課題かも知れません。
  

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