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西サモア将棋教室(3号,1996.11.1)

 私は青年海外協力隊員として西サモアで数学教師をしております清水と申します。西サモアという国は南太平洋に浮かぶ島国で、人口は約17万人の大変小さな国です。豊かな自然に囲まれ人々はみな素朴で大変良い国です。私はこの国で毎週土曜日に将棋の指導をしております。毎週2人の小学生の兄弟と数名の協力隊員で楽しく将棋を指しております。小学生の兄弟は日本人とサモア人のハーフです。父親(サモア人)も将棋を覚えて、家庭でもよく将棋を指して楽しんでいるようです。以前から家庭でチェスをやっていたせいか、将棋の覚えも大変早く、驚いています。(清水幹雄

 この国に将棋を広めるに当たって、最大の問題となっているのが生徒集めです。昨年の9月頃サモアで将棋教室を開こうと思い立ち、新聞に生徒募集の記事を載せてもらいましたが、思いのほか反響がなく、将棋を習いたいと言ってきたのはわずかに1名のクック人(南太平洋のクック諸島出身)のみでした。そして、彼と2、3名の協力隊員でスタートしました。しかし、彼もやがてサモアを去ってしまい、とうとう日本人だけの将棋教室になってしまいました。時には日本人も誰も来ず、私一人で棋譜並ベをすることもありました。これではいけないと思い、今年の5月に再度新聞に記事を載せてもらい、同時に街中にポスターを貼ったところ、やっと前述の兄弟が現れるに至ったわけです。努力した割に生徒がたったの2人だけとは、と虚しい気持ちになったりしました。サモア人は将棋やチェスのような知的ゲームにはほとんど興味を示さないようです。また、サモア人に将棋のことを「ジャパニーズ・チェス」といって説明してもほとんどの人がチェスを知らないため判ってもらえないのも難点です。また、やっと教室に来てくれた人でも、駒の動かし方を教えているうちにあまりの複雑さにイヤになってしまい、すぐ帰ってしまうこともあります。やはり、チェス経験者だと駒の動かし方を覚えるのも楽なので、抵抗なく将棋に入っていけるようです。(しかし、金と銀の動かし方はよく間違います)やはりチェス経験者をターゲットに活動を進めていくのが近道と思います。
  もう一つの大きな問題点は、私の英語力です。英語で将棋を教えるのは想像以上に難しく、うまく説明できずに判ってもらえないことが多いです。英語で将棋を教えるのにはかなりの英語力が必要と思われます。もっともっと英語のレベルアップをしていかなければならないと思っております。ISPSの会員の皆様も少しづつでも英語(その他の言語でも)の勉強をされるとよいと思います。これからの活動にきっと役立つと思います。
 私の任期は多分来年の8月までになると思います。残された1年弱の期間で1人でも多くの将棋ファンをサモアに誕生させるべく活動を続けていこうと思います。地道に努力を続けていけば必ず報われるでしょう。この記事を読んでサモアに興味を持たれた方は是非1度サモアにいらして下さい。

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