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2周年を迎えたISC - International Shogi Club(30号,2004.12.18発行)

 私がネット上に将棋倶楽部24のサークルとして、 ISC International Shogi Clubを立ち上げて2周年になりました。前回の国際将棋フォーラムに参加させていただいたのがきっかけで、あのような素晴らしい交流を是非日常レベルでも実現させたい、という思いに多くの皆さんが共感していただいて生まれた倶楽部です。(庭田禎久(日本将棋連盟 普及指導員 / 将棋を世界に広める会 会員)

 私がネット上に将棋倶楽部24のサークルとして、 ISC International Shogi Clubを立ち上げて2周年になりました。前回の国際将棋フォーラムに参加させていただいたのがきっかけで、あのような素晴らしい交流を是非日常レベルでも実現させたい、という思いに多くの皆さんが共感していただいて生まれた倶楽部です。
 ISCのビジョンは、「ネット上に海外の将棋ファンが常に仲間と将棋を指すコミュニティーを作り、そのコミュニティーをサポートしていく。」というものです。
 この機会に今までのネット上での国際交流についてご紹介させていただくとともに、今後の課題や挑戦についても皆さんと考えていくきっかけになればと思います。

将棋倶楽部24上での月例会
ISC.jpg
  <月例会の一コマ、チャットは英語で行われる

 毎月月例会をネット上で開催し、月例でのポイントをもとに海外の将棋ファンへ初段までの認定をおこなっています。初段−17級まで様々なレベルの海外の方が参加されるのですが、現在の主流は棋力が3級から7級前後の方々で似たような棋力、かつ、日本人でない相手同士とあって、気楽に将棋を楽しめているようです。オーストラリア、ドイツ、スロバキア、香港、アメリカ、イギリス、イタリアなどから参加してくださっています。昨年のクリスマスの時期には認定証付きのクリスマスカードと扇子を贈って大変喜ばれました。少しでも彼らの励みになれば嬉しく思います。初段以上になると、もう我々の月例会からは卒業して日本人とネットでドンドン指すようになります。そのような人は現地でも指導できるレベルといえますので、そのような人を数多く輩出するのが望みです。(とはいえ、平手で負かされるとくやしいですが・・・)  また、1年前は15級だったひとが、コツコツと例会に参加することによって 7級、4級と上がっていく姿を見るのは本当に嬉しいものです。

初心者向けの定跡の提供
 月例会の感想戦などで、定跡をフォローしてあげる必要性を感じて、インターネット上で英語で提供することを少しずつですが実行しているところです。コンテンツに関しましても棋士の方々からありがたいご支援いただいておりますので、今後もっと充実させていく所存です。これらのコンテンツを、マウスをクリックするだけで駒の動きと定跡解説が同時に現れるソフト (Kifu for Java)によってわかりやすく紹介しております。現在、青野照市先生の著書
”Guide to shogi openings” と”Better moves for better shogi”の紹介、および、羽生善治先生による定跡のポイント”Joseki Essense byYoshiharu Habu”、高橋和先生による手筋や考え方を示した”Tips by Yamato Takahashi”を提供し、順次更新しています。
やる気の維持
 これらの活動は私一人でできるものではありません、数多くの日本人のISC会員のボランティアによって運営されています。月例会の幹事を交代で務めたり、棋譜をネットにのせたりしていますし、定跡のネットでの紹介には寺尾さんをはじめ合計12名ほどの会員が分業で作業をおこなっています。忙しい合間をぬって各自のペースで貢献して下さっていて、本当に頭の下がる思いです。皆さん将棋の海外への普及に使命感をもっているから協力してくださっているのだと思います。とはいえ、続けるのがしんどく感じられることもあります。そんなときは、海外の方々からの「ありがとう」の一言が本当に励みになっています。
 先日、月例会の常連であるドイツのマークさんと将棋連盟で直接お会いすることができました。また、マークさんとドイツで親交のあった近藤正和先生、佐藤秀司先生とも御一緒させていただき、楽しい時間を過ごすことができました。嬉しかったのは、マークさんがISCのこの2年での活動内容を高く評価してくださったことで、やっててよかったと、心底感じた瞬間でした。
 地道で苦労の多い、将棋の普及活動においては、 羽生先生の言葉にある、「持続する情熱」を持ち続けることが大切です。 その一方で、 自分たちの活動が価値を生み出しているのだということを確認できる機会を増やすことも、やる気を維持するためのコツかもしれません。

今後の課題と挑戦
 �@海外ではまだまだ定跡に関する情報が不足しています、また詰め将棋や次の一手問題の需要も多いです。そういったコンテンツをISCのホームページ上でもっと提供していきたいと思っています。あと、駒落ちの面白さ、大切さを定跡の紹介を通じてわかってもらえたら素晴らしいですね。
 �A先に述べたビジョン、「ネット上に海外の将棋ファンが常に仲間と将棋を指すコミュニティーを作り、そのコミュニティーをサポートしていく」の実現に必要なものは、もっと多くの海外の将棋ファンが集い、仲間と将棋をさせる場、機会が必要です。その機会作りの一環として、インターナショナル将棋リーグ・トーナメントを創設し、初心者から上級者までレベルごとに海外の仲間同士、インターネットを通じて頻繁に交流できるような仕組み作りに挑戦していきたいと考えています。世界中の将棋ファンがネットで将棋を楽しみ、教えあい、語らう、そんな日の実現を想像すると、ワクワクしてきませんか。
会員数:約50名(日本人) 約25名(海外(日本人除く))
ISCのホームページはこちら

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