海外の将棋情報ア・ラ・カルト(38号、2006年12月16日発行)
漫画・アニメで世界に広がる shogi
集英社の「少年ジャンプ」に岸本斉史氏が連載している「NARUTO」は、アニメ放映、映画化もされているヒット作品。これは日本だけでなく、各国語にも訳されており、世界中にファンが居る。インターネット上の百科事典の Wikipedia で NARUTO の項目が30ヶ国語以上で書かれていることでそれは裏付けられる。(寺尾 学)
「NARUTO」は少年忍者達の成長物語だが、その中のキャラクターの1人に、奈良シカマルというIQ200以上の知恵者で将棋が趣味という忍者が登場する。彼が将棋を指しているシーンは実際の漫画やアニメではほとんどないにも関わらず、彼が将棋というゲームが好きだということはファンの間に強烈な印象として残っているようだ。
Shikamaru も 英語版の Wikipedia の項目になっている。その項目の説明に shogii という単語が5回出てきて、shogi の項目にも1クリックで飛べるようになっているので、Wikipedia で Shikamaru の項目を引いた人は、shogi の項目も調べる可能性が高い。また、shikamaru の項目は英語だけでなく、フランス語、スペイン語、ポルトガル語にもあり、それらのページにそれぞれの言語の shogi の項目へのリンクがある。
現在マドリードに居る山田理事によれば、この11月からスペインでも「NARUTO」のテレビ放映が始まったという。スペイン語圏で、奈良シカマルを見て、将棋に興味を持つ子供が現れてくることが期待できる。
任天堂DSに将棋もできる海外版のソフト
任天堂のDS用のソフト「だれでもアソビ大全」の海外版が、10月末より欧米で販売が開始された。DSは任天堂の携帯型ゲーム機で、日本国内だけでなく、海外でも1000万台以上を売り上げている大ヒット商品。「だれでもアソビ大全」は、42種類の伝統的なカードゲーム、ボードゲームが遊べるソフトで、その中にはさみ将棋、将棋がはいっている。つまり、欧米で、任天堂のソフトを販売している店がすべて、将棋ができるソフトをこの秋から売り始めたということになる。国内では既に50万本以上の販売実績がある。
海外版の商品名は、ヨーロッパでは “42 All-Time Classics”、米国では”Clubhouse Games”という。この任天堂のゲームソフトによって、欧米のあちこちで将棋を始めて知ってやってみる人が現れている模様。
このソフトは、コンピュータ相手の1人遊びだけでなく、無線通信やインターネットに接続してDS を持っている世界中の人と対局できる機能も備えている。日本の大手ゲーム会社が将棋ソフトを初めて英語のユーザーインターフェース、取扱説明つきで出したことは、海外への将棋の普及史上でエポックメイキングな出来事として後々評価されるであろう。
グラフィックが追加されたメール対局サイト
「かけはし」の第7号でお伝えした、Richard’s BBeM Server だが、メールだけでなく、ウェブ上の盤面を見ながら対局できる機能が追加されていることがわかった。
選べる駒は、漢字の2字駒が2種類、ほかに、チェス風や、抽象駒と名付けられた駒を選べる。今まではメールの図面が英語で駒の名前が表示されるものだったので日本人には敬遠されていたが、グラフィックの盤面で指せるようになったことで、日本人でも使いやすくなったといえる。
(URL http://www.gamerz.net/pbmserv/)
最近のコメント