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素晴らしき世界大会参加レポート(14号,2000.12.25)

 2000年の将棋世界チャンピオンシップが行われました。たいへんな成功で私が今までに参加したトーナメントでは最高のものでした。

 *最高の受付
 私が金曜日に到着したとき、主催者の増井さん、井上さん、荻原さんの3人から大変丁寧なあいさつがありました。またそのときに、”合衆国中西部チャンピオン”と名入れしたバッジをもらい、うれしく思った反面、私の棋力は二段なので大丈夫だろうかと心配にもなりました。(Doug Dysart, Ohio Shogi Club Founder 翻訳 かけはし編集部)

 このような素晴らしい受付はチェスの大会では経験がありません。もちろんスーパーGMクラスの人なら別でしょうが。私はすぐ、生涯ずっとつきあうであろう新しい友人と出会うことになったさけです。私のルームメートはインターネットで既に知りあっていたMarc Theeuwen(オランダチャンピオン)でした。
 土曜日になり大会が始まりました。私はシードされていたので、予選はなく、プロに角落ちを教わりました。後になり、Larry が角落ちではハンデが低すぎると指摘してきましたが、ほとんどの対局で落ち着いて指せたと思います。
 それから昼食へ出かけました。料金は前払いされています。これはとてもよいことです。食事の間中新しい友人との語らいを楽しむことができます。
 昼食後に本当の動きが始まりました。私は2回戦に進むことはできましたが、そこでなんとルームメートに討ち取られてしまいました。ただ、彼が4位になったので私の気分は悪いものではありませんでした。
 夜の帳がおり、T. Asada とChiaki Ito との信じられないような試合を観戦しました。Ito は偶然ですが私の最初の将棋友達です。この試合には千ドルがかかっていたので、熱戦が展開されましたが、最後に Asada さんが入玉を果たして勝ちました。

 *英語でしゃべる棋士

 その晩、皆で一緒にディナーをとりました。スピーチがいくつかありました。私はもちろん、林さん、増井さん、日本将棋連盟、合衆国将棋連盟に対して、このようなすばらしいイベントを開催されたことに感謝の気持ちをのべました。
 本当にすばらしかったことはプロ棋士が英語でしゃべろうとしてくれたことです。佐藤先生と近藤先生は特にそうです。両方ともたいへん親しみがあり気さくな人で、私はお二人の大ファンになってしまいました。
 日曜日はまた、勝ち抜き戦の続きです。また、同時に、予選で1勝2敗だった人のBクラス、0勝2敗だった人のCクラスも同時に行われました。これらについても大きな賞品がかかっていたので皆真剣で熱心でした。
 Ray Kaufumanが彼のセクションで賞品を獲得しました。マーク 同士の戦いとして、Mark Ono と Marc Theeuwenの対局が注目されました。Marcがマジックのような手順で逆転勝ちをしました。
 Egoshiさんと私の友人Chiaki Itoとの決勝戦は接戦でした。賞金は3000ドルがかかっています。対局の進行とともにプロが分析し、すべてがインターネットで中継されます。将棋が観衆に訴えるスポーツであることを初めて知りました。
 将棋世界チャンピオンの栄冠はMr.Egoshi の上に輝きました。チャンピオンフラッグをつくったらどうでしょうか。
 月曜日は、団体戦でした。私は Ray Kaufman, Geroge Fernandezと一緒のアメリカチームで、よく貢献できました。二人はやさしいことに私がチームMVPになることにうなずいてくれました。大変名誉なことです。
 この日も、プロ棋士との素晴らしいステーキパーティで最後までもりあがった一日でした。Peter Luger's のステーキは今までに食べたなかで最高でした。他の食べ物やビールもおいしかったです。最後に、さよならを言い合いました。ロンドンのMSO で再会することを楽しみにしながら。

 *棋友たちとの出逢い

 今回の大会は賞金のかかった競技的要素が強いものでしたが、同時に楽しく社交的な集まりでもありました。増井さんはさながら MC のようで、いつも彼のまわりには笑いがあり、皆が笑顔で話し掛けられるよう配慮されていました。
 それから英語で話し掛けてくれた近藤先生を忘れてはいけません。先生の英語は完璧ではありませんでしたが、英語で話し掛けていただいたことはたいへん光栄なことでした。。近藤先生が今後の人生で活躍することを祈念します。
 ヨーロッパの将棋友だちと会えたのもたいへんによいことでした。ブラジル人たちは、英語をよく知らないようでしたが、それでも私と話そうとしてくれてともに楽しい時をすごせました。 いまや有名な著作家となったTony Hoskingと会えたのもうれしいことでした。Marc Onoは常に一緒にいて楽しいひとでした。そして、もちろん、すでに旧知となっているWashinton DCとニューヨークの将棋友だちに再会できた機会でもありました。
 この大会は非常にうまくいったと考えています。無事に終わり、問題も残りませんでした。来た人は皆ほほえみをたたえながら去り、次の機会にあいまみえることを心待ちにしています。多分、来年、おなじような条件で行われるのでしょうが。その機会がたいへん待ち遠しく思われます。

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