« 国際普及の受け皿になろう | メイン | ロシアでの将棋指導(13号、2000.9.15) »

ペテルブルグ滞在記

 サンクトペテルブルグの空港に降り立つと夜11時というのにいまだ明るさを残しているのです。だれかが天を仰ぎ、「白夜だ!」「すてきだね。ラッキー」とささやいた。
 鴻巣軍団も北極圏への旅は初めてのため、目の前に見る白夜現象に興奮気味です。街中にポプラと白い花が舞い、ライラックの紫とマロニエの白い花が咲き競い、荘厳さが漂う宮殿や協会に映えていました。(岡野清)

 また背筋を伸ばしてさっそうと歩く若者の姿が印象的でした。
 我々の行動の中で、道行く人がすれ違いざま必ず振り返ることがありました。原田団長の羽織姿とゲタ履きでかっぽするさまです。カラコン、カラコンと奏でるゲタの音になんとも妙な顔をして見とれているのです。中には、一緒についてくるものさえおりました。
 このように御大はいつ、どこへ行っても存在感大であり、素晴らしい国際交流となりました。
 サンクトペテルブルグ市立第83学校(通称バラの学校と呼ぶ)を訪問しました。親善の旅のメーンです。
 到着すると生徒さんたちが笑顔で「こんにちは!いらっしゃいませ!」上手な日本語で迎えてくれました。
 歓迎会では生徒さんたちがすべて日本語でスピーチ、歌、寸劇などを演じてくれました。一つ終わるごとに盛大な拍手がわきあがりました。子供たちがあまりにも素直でかわいく目を輝かせ歌い、話す姿に目頭が熱くなりました。
 ナタリアベ校長、カリニナ副校長始め先生方の穏やかで慈愛に満ちたまなざしにもいたく感動しました。
 昼食をはさんで生徒さんたちと親善交流の将棋を指しましたが、小生の対局相手は通称マーシャンという愛くるしい女性とさん(13歳・8年生)でした。マーシャンは日本語が上手で、将棋にとても興味を持ち、将来は日本の学者さんになりたいと希望に満ちたお嬢さんです。
 対局を始めるときも礼儀正しく「お願いします」と頭を下げ、原田団長の座右の銘である『三手の読み』を実践し、よく考えてから指しておりました。性格は一見やさしそうに見えますが、指す手筋はなかなか鋭いものをもっており、洞察力、大局観もしっかりしていて将来性十分です。
 小生は地元の市民公民館活動の一環として将棋教室を担当していましたが、そのクラスに入れても上位にランクすると思います。これからもしてほしいと念願いたします。
 学校訪問の翌日、クチベイ宮殿で格調高い歌曲と西洋舞踊を拝見したり、世界一のバイオリンニスト・グレゴリーシェルクさんの奏でる、素晴らしい音を聞きながら昼食会をもてなしていただき、この上なき幸せでした。
 このように行く先々で歓待をいただきましたことに対し、関係者の皆さんに深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

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