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将棋指導者海外派遣制度創設の夢(16号、2001.7.18)

 こんなことができるといいなあ、こんなものがあるといいのになあ、などと思うのが「夢」です。現実にはまだ何の形もありません。夢に描いたことを実現させる段取りの第一歩が計画です。
 将棋を世界に広める会(ISPS)のモットーは「夢はできるだけ大きく、やることは確実に一歩ずつ」です。(眞田尚裕)

 さて、一昨年まで会が抱いていた夢の一つは「会の法人化」でした。これは、NPO法の成立という追風を受け、玄人の手を頼まずとも、会の内部の力で昨秋実現することができました。
 法人化の次に会が描いた夢は、公的な組織の後押しがある日中の子供の将棋大会を、単発でなく継続的に行いたい、ということでした。これが形となったのが「第一回東京・北京小学生将棋交流大会」です。日本将棋連盟、NHK、東京都、外務省の後援を得て、6月には東京都の予選が行われ7月には中国の小学生を招いて本戦が行われます。(本戦の様子はかけはし17号でお知らせします。)この夢は更に広がって、来年は北京で、日中国交回復30周年記念行事の一環として、第二回大会を計画しょうという段階にまで達しています。1年毎に子供達が、東京へ来たり北京へ行ったりする将棋大会が続けて行われるようになったらさぞ、楽しいだろうな、という夢は現実のものとなりつつあります。

 会の力が以前より強くなってきた今、実現したい夢があります。「将棋指導者海外派遣制度」の創設です。
 昨今中国、ロシア、スゥェ−デンなど日本の将棋の面白さに気づいて、これを普及させようとしている人がいる国が増えています。今後ますます多くなると思われます。
 まだ全く将棋の知られていなかった国で、これを多くの人に広めようとする時に直面する問題点は、これまでの例からみても、(1)将棋の指導者の不足(2)その国の言葉で書いた将棋の本がない(英語で書かれた将棋の本も今まではごく少数でした。)(3)一般に盤・駒が入手しにくい、という3点です。
 今までも将棋のプロの先生方が毎年外国へ行って将棋の指導をしています。又アマチュアでも有志の方が外国人に将棋の手ほどきをしています。パラグァイでは漢字の読めない現地の人のため特殊な駒を創案して教えたなどという例もあります。
 しかし残念ながら、長期的な計画のもとで継続的に行われたことはほとんどありませんでした。そこで今ISPSが、将棋の指導者を渇望している外国の組織又は個人の要請に応えて、将棋の指導者を長期で、又は短期でも断続的に派遣できる制度を創れば効率的、効果的な将棋の国際普及に役立つことになると思います。
 ここまでが、こんな制度があればいいなあ、という夢です。
 具体的なことはまだ何も決まっていません。たとえば、人材をどう集めてどうプールするかとか、その人達をどこの国へどのくらいの期間派遣するのかとか、それらはどうやって決めるのか等々。
 この夢を実現しようとする時には、いくつかのネックが当然予想されます。
 一番大きな問題は、それに要する費用を誰が負担するのか、という点でしょう。
 ISPSが金持ちの団体なら、理事会と総会の承認を得て直ちに計画実施することができるでしょうが、現実はまだ会にはそれ程の財力はありません。
 それでも何とかしたいというのなら、考えられる方法はスポンサーをみつけることです。
 将棋の国際普及を夢見ながら果たせなかった将棋の大ファンの方が巨万の財産遺贈して下さる、などという話は宝くじに当たるようなことで夢のまた夢ですがもっと現実味のある話もあります。
 その一つは「神奈川県青年国際体験活動支援事業」へ相乗りできないかという話です。
 この事業は青年が行う国際体験活動を県が支援しようというもので、県内に在住、在勤、在学する18歳以上30歳以下の人を対象とし(募集人員は10人)受入先を県が指定する体験活動と応募者が自ら内容と受入先を設定するものとがあり、期間は1ヶ月以上6ヶ月以下です。体験活動に必要な経費の半分(上限50万円)を県が助成します。
 公の制度ですからいろいろな制約がありますが、神奈川県に住んでいて将棋の強い青年をISPSが見つけ出して外国へ、将棋の指導に行くために応募させることは不可能なことではなさそうです。例えば横浜と友好都市である上海へ小・中学生の将棋指導に行く体験活動の設定をします。この場合中国語ができる必要があるでしょう。経費の半分は県が出しますから残りをISPSがどれだけ支援出来るか、応募する個人がどれだけ出すかを決めます。
100万円で上海にどれぐらいの期間滞在できるかを逆算して期間を設定します。
 このようなことができればとりあえず指導者派遣ができます。その先継続してやれるかどうかは努力次第でしょう。
 この他にも探せば他の自治体でも同じような制度があるかもしれませんし又国でも似たようなことをやっているかも知れません。そうした制度にうまく乗れば、会が出すお金が少しでも夢をかなえられるかも知れません。
 
 会員諸氏のお知恵を借りてできるところから計画実行していきたいと考えています。ご意見をお聞かせ下さい。

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