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東京・北京小学生将棋交流大会予選(20号、2002.6.30)

【主催】将棋を世界に広める会、北京市崇文区少年宮。 【後援】外務省、東京都、NHK、日本将棋連盟、囲碁将棋チャンネル、北京市国際友好協会、中国棋院、北京棋院。 【協賛】㈱御蔵、㈱アマダ。 (山田彰)

 ワールド・カップ開幕直後の6月2日(日)に、港区のNEC芝クラブで、第2回東京北京小学生将棋交流大会の予選会が行われた。今回は、38名の参加応募があったのだが、当日の欠席などがあって最終の参加者は33名であった。
 12時半の受付を前に、小学生と保護者が次々に集まってきた。NEC芝クラブ2階の会場は広々としていて、保護者の方もゆっくり応援できる。
 1時に将棋を広める会の眞田理事長より開会の挨拶が行われ、佐伯八段からもご挨拶を頂いた。その後轟理事が対局の方式などを説明する。予選の対局方式は、トーナメントだが、今回は8人の本戦参加者正代表を決めるほか8名までの補欠を決めるため、敗者復活戦が組まれており、とても複雑なトーナメント表ができ上がった。簡単に言ってしまえば、1回負けてもその後を勝ち続ければ、正代表になれるし、2敗までであれば、補欠になることができる。負けてもあきらめないで指し続けることが大事だ。
 こうした対局方式のせいか、昨年と比べても一局一局、一手一手慎重に指す子供が多かった。ただ、一つ苦言を呈するなら、いわゆる駒の手離れが悪い時があることが目についた。戦型は、昨年同様四間飛車と横歩取りが目立った。
 女の子の参加者は2人。一人は、昨年の本大会にも出た伊藤紗恵さんだが、今回は急所の対局で強敵に当たり、最後まで良く粘っていたのだが7局目の対局で3敗を喫し無念の敗退となった。もう一人の井上沙喜さんもよく指していたが、優勢になった時も寄せがまだ甘くて勝ち星を挙げることはできなかった。
 2敗しても可能性はあるため、遅くまで対局は続いたが、全勝者組は3局目か4局目で早くも代表決定になる。そのうちの一人高艸君は、第一回交流大会の優勝者で、いわばディフェンディング・チャンピオンである。代表決定は佐竹君との対局となった。高艸君の作戦は右玉であったが、何だか動かす駒がなくなって作戦負け気味である。しかし、佐竹君が十分に構えて攻め始めたところに高艸君のカウンター・パンチが決まって勝ちを収めた。高艸君は昨年同様冷静な指しまわしが光った。お母さんの話では、「去年より強くなっているみたいです。北京には自分が一緒についていく」ということだ。今年も期待できそうである。
 やはり全勝で決めた三枚堂君も研修会員だが、4歳のころにおじいさんから将棋を習ったそうで、そのおじいさんが付き添いに来ていた。おじいさん曰く、昔旧知の内藤九段に孫がオセロで大学生をやっつけたと話したら、「将棋を教えたら」と言われて、それで将棋を始めさせたということだ。自分はほとんど将棋はさせない由だが、孫の活躍に嬉しそうだった。
 渡辺誠・光君は兄弟で登場し、強いところを見せていたが、3年生の誠君が兄貴の貫禄を見せて代表になった。家族が皆将棋を指すし、上の兄には、奨励会員の愛生君がいるということで文字通り将棋一家である。
 今回は補欠も含めて北京に行ける(旅費は自費ですが)ということで、対局する子供はもとより応援の保護者も力が入っていたようだ。それに応えて子供たちも、負けても最後まであきらめずに皆良く戦っていた。予定の時間をオーバーして対局した予選会の結果、7月25日に北京で開催される本戦の参加を決めた8名は、次の通り。
 (全勝で決定)石橋峻士、高艸賢、三枚堂達也、北脇誠也
 (1敗で決定)大沢健人、井出隼平、渡辺誠、早川明男

 また、補欠の8名(順不同)は次の通り。
 浅倉孝幸、佐竹宏基、佐藤航、遠藤秀、勝又啓貴、高見泰地、石橋健太、河合邦彦

 日本と中国では、当然ながら日本の子供たちの方が将棋のレベルは高いと思うが、W杯の日本代表のように、7月の北京では代表の小学生たちが世界の舞台に登場するということに変わりはない。思い切り指して、実力を十分出すとともに中国の子供たちとも仲良くなることを祈っている。
 予選会に最後までご出席頂いた佐伯八段、予選会の運営に協力頂いたISPS会員の方々には心からお礼申し上げたい。

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