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心と顔が映る「将棋」(23号、2003.3.1)

 平成15年2月1日、許建東さんを団長とする上海の少年・少女や北京の子供達、ご両親や学校の先生達の一行が、ここ横浜国際交流ラウンジに「横浜上海将棋交流会」の為来場された。(西勇)

 日中対抗試合(小学生・中学生)やオープン戦、連将棋など将棋にドップリと浸かった一日であった。またプロ棋士の皆様に指導将棋をお願いし、全員が参加出来たことがとても良かったと思います。
 指導対局頂きました原田泰夫九段、青野照市九段、斉田晴子女流四段、高橋和女流二段へ指導を受けたいとの希望がひきもきらずありました。
 日中の選手の皆さんはお互いに言葉が通じないのですが、将棋というもののルールさえ分かっていれば「棋話」がとれるという事を体験されたと思います。インターネットでの対局とは違い同じ場所で、同じ空気を吸い、心の葛藤が表情、指し手に微妙に影響し合う、そんな関係ではなかったでしょうか?「将棋」とは結局自分自身が表れてしまうものなのでしょう。お互いがそれぞれの鏡であり、相手の揺れ動く心がそれとはなしに感じられ、それが返って自分のミスを誘う、結構難しいものでしょう。
 コンピューターとの対戦ではそこの部分が無く、その人の人間性(感情)を感知してのお互いの駆け引きはやはり顔をつき合わせての対局が一番でしょう。そのうちコンピューターでも感情が生まれ指し手に現れてくるかもしれませんが。
 将棋は中盤位までは相手の気性や棋風等によって“この一手(好手)”が微妙に違います。感性で相手の顔と心をどれだけ捕らえているかが勝負の分かれ目になると思います。中国選手の将棋に対する真剣さを見るにつけ、ここまで少年・少女を夢中にさせるものにした許建東さんの日々の献身的なご努力に改めて感じ入った次第でした。無から有を生じる事はとても難しいもので、将棋の面白さ、深さなどを指導者が理解していないと広がっていかないでしょう。
 今後も上海、北京を中心として中国に「将棋」が広まっていく事は間違いない事でしょう。
 また、今回初めて行なった連将棋の面白さは一対一の対局とは異質で、仲間の指した一手がどういう意図で指されたものかを判断し、次の自分の指し手を決める必要があり、違った難しさや楽しさがあったと思います。中国側がやさしい即詰を逃がしたのもそんな影響なのだろうと思います。
 今回の大会は、コツコツと地道にやってきた事が実績となり、大勢参加して頂けたと思っています。棋力の向上も飛躍的に成長する時期はあると思いますが、トータルでは日々の積み重ねが成果を生む源泉なのだと改めて感じました。
 すべては「歩」が自陣から一つづつ進み敵陣に「と」金となる…ようなものかもしれません。

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