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キエフの将棋教室訪問(33号,9月17日発行)

 5月26日(木)、一行は昼の間は一日中キエフ観光。ドニエプル川のクルージングに未練を残しつつも、副理事長の鈴木さんと二人で、かねてから依頼を受けていたキエフの少年宮に将棋の指導に出掛けることにしました。少年宮の将棋教室は、小学校が終わってからで4時から。それまでの有効な過ごし方を考えていただくように鈴木さんにお願いしました。(池谷孰

 9時、ホテルのロビーに品の良い長身の女性が現れました。鈴木さんに手配してもらった案内人です。キエフの大学で日本語を専攻、東京の学芸大に1年留学の経験があり、かなり流暢な日本語で案内してくれました。現在は大学で日本語の先生をしているとのことでした。
 先ず市内のチェルノブイリ博物館に出掛けました。印象的だったのは多勢の小さな顔写真が展示されていたこと。原子力発電所で事故が起こって駆けつけた救助隊員。放射能に対する何の防御も無いままに駆けつけ、その後多勢がなくなったと聞きました。団体の小学生や高校生も来ていました。ビデオを見せるのですが年齢によって興味を持つように違うビデオを上映していました。
 圧巻だったのは事故発生時の展示。爆発が起こり火災が広がっていく様子を見せた後、また事故発生前の発電所に戻る。こんな展示がどうして出来るのか。工学博士の鈴木さんは、レザー光線で描き出しているのかも知れないとのご宣託。
 それからアンドレ坂を上りました。緩やかな長く続く坂道。両側に露天の土産物屋が立ち並んでいました。民芸の刺繍の品々、絵画、花や風景を描いた小箱。白樺の樹皮を伸ばして樹皮の自然の模様を風景に仕立てた額が印象に残りました。
 それからファミリーレストランでの昼食。食べたいものをお盆に載せて、料金を払う方式。ちょうど昼食時で長蛇の列ですが皆お行儀良く並んでいました。味は良かった。ウクライナの料理はとてもおいしいです。

いよいよ少年宮へ

 ホテルで案内の女性と別れて小休止。いよいよ将棋教室に出勤です。
 約束の4時に少年宮に着くと玄関を入ったところで先生のウイクトル・チセンコ氏が迎えてくれました。同氏は57歳位。将棋をウクライナに紹介した一人で、日本将棋連盟の第1回国際将棋フォーラムにウクライナを代表して参加した人です。少年宮は3階建ての白い大きな建物でした。先生に案内してもらい3階まで階段を上りました。
 教室は二部屋の間仕切りを取った大きな教室で、チェスの盤が描かれた机が40も並んでいました。昨夜贈呈した解説用の大盤もチェスの大盤の上に貼り付けてありました。
 そこで8名の子供たちのお出迎え。皆立派な服装。中にはジャケットを着てネクタイの子供もいました。先ず大盤を使って一手詰めの問題を数手。それから鈴木さんとそれぞれ4面指しの駒落ち将棋。中に一人駒の進み方を描いた紙を見ながら指す子もいました。しかし4面指しとなるとなかなか忙しい。終わった子供はすぐに「おかわり」です。
 それから鈴木さんと指していた子供も私と指しにやってきました。私のほうが組みし易しと見たのかな。瞬く間の2時間でした。夜には鈴木さんはお茶のセレモニーに招待を受けておられ、私はバレー観劇の予定があり、名残は尽きませんが再会を約して、子供たちと別れを告げました。

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