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YouTube 上に現れた事実上の将棋学校(46号、2009年2月28日発行)

 2005年の9月に「かけはし」33号の「夢と計画」で眞田理事長が最初に構想を発表した、「外国人のための将棋学校」が、インターネット上の最大手の動 画共有サイト YouTube 上に事実上できてしまいました。YouTube というのは、放送免許を取得した事業者でない普通の個人であっても、自分が撮影して編集したビデオを無料で世界中の人に見てもらえるようにすることができるサイト、いいかえれば、個人でインターネット放送局を開局できてしまうすぐれもののことです。(寺尾学

残念ながら当会の会員ではないのですが(註、46号発行時点。現在は当会の会員になっています)、静岡県にお住まいのHIDETCHI さん(日本人。HIDETCHI というのは YouTubeの登録ユーザー名)という方が自分の盤駒を使ってその盤上の動きを撮影し、流暢な英語を使いながら、1回10分で全40回近くの How to Play Shogi という将棋講座を昨年の9月から次々と YouTube に発表されています。既にレッスン#1だけで延べ1万人以上の方に視聴され、将棋に興味を持った世界中の方から絶賛が寄せられています。それぞれのレッスンには、感想を書き込めるスペースが YouTube にはあるのですが、主なメッセージを拾って日本語に訳してみます。

世界中から大絶賛

  • 「HIDETCHI さん、ありがとうございます。あなたは、優秀な先生だと思います。数日前の夜からビデオを見始めましたが、朝まで見入ってしまうくらい、引き込まれました。影響されて、すぐに将棋盤を注文して、私も将棋を教えようと友達に連絡をとっています。」(Tergatphilさん)
  • 「将棋を学ぼうと決めてあなたのレッスンを見はじめて2週間がたちました。たいへん情報量があって、役立つもので、次のレッスンが楽しみです。このようなすばらしいゲームを少なくとも自分が住んでいる近所で広めていくお手伝いができたらと思います」(ShinigamiKageruさん)
  • 「凄いレッスンだ。おかげで将棋が大変面白い。宿題をほったらかしにして今将棋を指し始めている。」(Cfigginslzさん)
  • 「僕は13歳。2009年になったらこのゲームを指してみたい。」(dogb0i)
  • 「本当に今まで知っていた以上のことを学びました。わたしは、Wikipedia でごく基本のルールを覚えたのですが、そこから先に進むことができたのは本当にあなたのおかげです」(Ztrynさん)
  • 「このゲームは、広められるのに値する」(Vnaoさん)
  • 「ファンタスティックなゲームです。2009年から将棋と日本語を学ぶことを始めてみたい。将棋がこんなに美しいものだとは今まで知りませんでした」(legalruleさん)
  • 「将棋について今まで以上に知ることができました。自分の友人と指してみたいと思います」(LLewietさん)
  • 「アメリカ合衆国から見に来ています。しばらくまえから、将棋の指し方に興味がありました。非常に情報量が多く、あなたの英語はとてもよいです。自分が将棋に慣れたら、友達の何人かに指し方を伝えることになると思います」(OverlordBaaiさん)
  • 「私は、あなたのビデオを見ることだけで将棋の指し方を学んでいます。いま、盤駒を持っていません。欲しいです。なぜなら、あなたのせいで、とても指してみたいんです。でも、できません。ブラジルに住んでいるからです。将棋の盤駒が買えません」(murijoesさん)
  • 「私が将棋にハマッタのはアニメのナルトによってだったので、そのエピソードに言及したのは興味深い。このわくわくするゲームの最初の段階として、あなたのビデオに出会えたことがうれしい。木の盤駒を買うのを楽しみにしています。また、自分の友人にこのナイスな戦略ゲームを教えてあげようと思います。」(ilunatorさん)
  • 「将棋への外国人の興味がそれなりに増したのが、最近のアニメのナルトで将棋へのスポットライトがあたったこと、特に疾風伝の Episode 82によるものであることは、当を得ている」(shingi085さん)
  • 「ナルトに将棋のシーンがあるのは知っているけど、自分が最初に将棋を見たのは、Samurai Champloo だったと思う。これは、江戸時代を扱った日本の歴史アニメだ」(Piratestevesさん)
  • 「将棋を指せる様になるのにとても興味があります。ちょうど、自分用の最初の将棋セットを買ったところです。このビデオの力をかりて、自分の友人にも将棋を伝えたいと思っています。」(Darrisbob1さん)

まだまだ紹介したいコメントはたくさんあるのですが、紙幅もあるのでこのへんにしておきましょう。

知り合いの外国人にこのビデオを知らせよう

 このビデオのレッスンシリーズが凄いのは、単に将棋を覚えられるだけでなく、撮影された本物の盤駒から出される駒音を聞いて、視聴者がそれを購入しようと思ったり、また、自分だけでなく、自分の友人に将棋をこのビデオを使って広めようと思わせたりするだけの面白さと力を持っていることです。これは、将棋自体がそれだけの奥深さ、魅力をもっているのはもちろんですが、ビデオを作製している HIDETCHI さんの構成力、撮影のノウハウ、編集の腕、英語の力などを抜きにしては考えられないことです。将棋を世界に広めたいと思っている我々にとって、勇気百倍のビデオが現れました。自分が外国の人に直接将棋を教える語学力がなくても、このビデオの存在を相手に教えれば確実に効果的に将棋について伝えることができます。すばらしい時代になりました。

 会員の皆様には、外国人の友人や、外国人の知り合いが多い日本人の友達がいらっしゃる方が多いのではと思います。ぜひ、その方々に漏れなくこのビデオの存在を伝えていただければと思います。また、オンラインのゲームサイトなどで、将棋に限らず、チェスや囲碁などで外国人の方と対局することがある方もいると思います。その際は、「将棋に興味があるか?ならば、いいビデオがある」と相手に呼びかけてもらって、このビデオシリーズの情報を教えていただけたらと思います。このビデオが出現したことによって、会員一人ひとりが外国人に将棋を伝えるのが今までより格段に簡単にできることになりました。ぜひ皆で一人でも多くの海外の方にこのビデオを伝えていきましょう。

 最後に Video の URL とそれぞれのレッスンのテーマを列記します(註、以下は46号発行時点の情報で、実際は Lesson 30ではなく、Lesson 40までの講座となりました。以下のリンク先で確認できます。)

URL:http://www.youtube.com/view_play_list?p=587865CAE59EB84A

*Lesson 1 ---導入   
*Lesson 2     駒の動き方      
*Lesson 3    成り方と、成駒の動き方   
*Lesson 4    かっこいい駒の指し方   
*Lesson 5    駒に書いてある漢字について   
*Lesson 6    駒を取る、持ち駒を打つ   
*Lesson 7    王手と詰み   
*Lesson 8    将棋盤と棋譜のつけ方   
*Lesson 9    打ち歩詰めと二歩   
*Lesson10    駒の交換と損得計算   
*Lesson11    両取り   
*Lesson12    田楽刺し、開き王手、素抜き
*Lesson13    合い駒を攻める、守り駒を消す
*Lesson14    序盤の原則
*Lesson 15    千日手
*Lesson 16    持将棋とトライルール
*Lesson 17    囲いー相居飛車   
*Lesson 18    囲いー振り飛車対居飛車
*Lesson 19    囲いー居飛車対振り飛車
*Lesson 20    囲いー相振り飛車
*Lesson 21    将棋の始め方
*Lesson 22    将棋の終わり方
*Lesson 23    プロ将棋の世界
*Lesson 24    女流プロ将棋の世界
*Lesson 25    駒落ちーその1
*Lesson 26    駒落ちーその2
*Lesson 27    無料の将棋ソフト
*Lesson 28    対局できるウェブサイト
*Lesson 29    将棋についてのよいウェブサイト
*Lesson 30    詰め将棋

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