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モンゴル将棋探訪記(48号,2009年11月22日発行)

 ISPSメールマガジン8月号で速報をご覧の方には重複する面も多いが、今年(2009年)の6月約10日間ウランバートルを中心に行った将棋の普及と指導の活動につき、概略を紹介してみよう。

 モンゴル囲碁協会にトウムールバートルさん、という会長が居られ、この方のことは「かけはし」第47号に詳しく紹介されているが、この方がモンゴルに将棋協会も設立したい、という希望を持っておられ、一昨年、昨年と、大きな囲碁大会に併設して、試験的ながら2度続けて将棋大会も行っていたことがわかった。

 何故モンゴルに将棋を指す人が居たかというと、一つにはJICA(日本国際協力機構)のシニアボランテイアで、囲碁を教えに派遣された方が、ついでに将棋も教えて帰ったということや、同じくシニアボランテイアとして、ラジオテレビ技術大学で編集技術を教えに行った方が、何と以前テレビで鹿島杯女流棋戦の製作プロダクションを担当された将棋の好きの山崎さんその人であって、トウムールバートルさんに頼まれて、何ヶ月間か将棋を教えていた、ということなどがあったからである。

 その他に、ISPSの手助けでインターネットを通じて将棋を指している人達も居り、今回、日
本大使館主催で、私が将棋の講習会を開くに当たり、将棋に興味のある人達が、一堂に会する機会が生まれ、一つにまとまったモンゴル将棋協会が誕生するに到ったのであった。

 昨年、天童で行われた国際将棋フェステイバルに、モンゴルの参加は無かったけれども、この次からは、必ず代表が参加出来ること間違いない。

 モンゴルでは日本の大相撲での力士の活躍のこともあり、今や日本ブームである。小学校2年生から日本語を教えるエリート校も出現した。その一つが第84学校で、在モンゴル日本大使館勤務の近々文化担当になると期待されている青山外交官補を招き、将棋の部活動を今年から開始していた。

 青山さんは高校時代に将棋に熱中したと語って居られ、新聞の段級位判定試験では4段位を取得したという棋力の持ち主だから、将棋の先生としては申し分ない。モンゴル語で将棋のルールブックや指導書を執筆中とのこと、いろいろ相談を受けた。

 この学校の校長先生は生徒の国際交流に熱心で、将棋の提携校を日本で探して欲しいと頼まれた。モンゴルでは全て小中高一貫校なので、日本でもそのような学校が望ましい。前記講習会の出席者約70名中、第84学校関係者が4割に近かったことは、その熱心さをよく現している。

 モンゴルには他にチェスの部活動に特化しているモンゲニという学校があり、夏休みに1ヶ月間チェスの合宿が有るという。ここでも約10名ちょっとのチェスの先生と生徒を相手に将棋を紹介し、チェスの先生には大いに興味を持って頂いた。チェスはモンゴルで人気があり、強い選手も多勢居るので、将棋が普及出来る素地は充分に有る。

 チェスの合宿は田舎へ出掛け、太陽の光を浴びながら大草原の上でも行うらしい。一度、「モンゴル将棋の旅」として称してゲル(テント)に泊まり、広い草原の上で対局する機会を作るのも一興かな、と想像してみたりした。

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 更に、JICAの責任者である石田代表に面会し、将棋を教えるシニアボランテイアを募集して欲しい、とお願いしたので、誰かISPS会員で無くとも、会社を定年退職した方で、やってみよう、という方は居ませんでしょうか?

 現地で生活出来る程度の手当ては出るようですから。早速、来年4月をメドにして手を上げて欲しいものです。(鈴木良尚)
(註:将棋ペン倶楽部第52号には、もう少し詳しくモンゴルの記事を掲載してあります。)

モンゴル第84学校で指導する鈴木良尚理事

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