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夢から現実へ(48号、2009年11月22日発行)

 日本の将棋を世界中に広めたいと言う夢をもって活動を始めたのは1995年のことで、もう15年も経っています。

 そのころは、将棋を知っている外国人は、ごく少数でした。「世界に広める」などと言えば大風呂敷だと思われていました。

 ところが今、全世界ではかなりの数の人たちが将棋を指しています。上海などでは、学校の正課に取り入れられているところが少なくないと言いますから、自分ではうまく出来なくても、日本の将棋を知っていると言う人を含めれば何十万と言う数になっています。われわれの会が手を差し伸べなくても、どんどん増加しています。特にここ一、二年の間のインターネットの発達とそれに伴って進歩した将棋ソフトの充実によって今では実に多くの人達が、世界で将棋を指すようになったのです。そしてこの傾向はますます盛んになっています。わざわざ中国から小学生を招かなくても、ウクライナへ会員が行かなくても、コンピュータを使って将棋が出来るようになってきました。

 とは言え、世界は広いので、まだ将棋のショの字も知らない国は沢山あります。特に戦争をしている所など、将棋どころではないといった国では、まだ将棋は指せていません。世界中の人が仲良く将棋盤を挟んで将棋を楽しむと言うのは、この先何年か何十年かが必要でしょう。

 又その実力が日本のプロ並みになるのはまだ先のことです。奨励会入会の外国人第一号は中国人だろうといわれていますが、今のところ毎年続けて試験を受けてはいますがまだ受かってはいません。アマ有段者クラスは今でもいるのですが、まだプロの卵もいません。そこまで行かなくてもいいというなら、それでもいいのですが、コンピュータに鍛えられたプロが出来るのも夢ではないかもしれません。大相撲のように外国人力士ばかりが強くなってはどうも面白くないと言った考え方もあるでしょうが、いまのところまだ日本のプロを負かす強い外国人は出そうにありません。

 もつと世の中が進めば日本人とか外国人とか言わずに一つの世界になるかも知れません。

 われわれの会は、これから将棋を覚えようという外国人に手ほどきをするということを中心にこの先もやっていったらよいと思っています。(眞田尚裕)

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