当会理事寺尾学のパネルトーク(10月9日、於、東京工業大学くらまえホール)

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 寺尾でございます。過分なご紹介ありがとうございました。

 10分余りの時間でですね、全世界をまとめてしゃべれ、というそういう無理難題をいただいておりますので手短にやらせていただきます。本日は会員の方だけではなくて、一般の方もいらっしゃってますので、まず、皆さんがどんなことを疑問に思っているのか、ということを最初にやりまして、現状はどうなっているのかということをお話させていただいて、その後、今後の課題はなんだろうか、ということについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。

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 具体的にはですね、「どのくらいの国に将棋は広まっているのだろうか?」、それから「どのくらいの将棋人口はいるのだろうか?」、それから「どれくらい日本以外に強い人がいるのだろうか?」また、「海外の人はどうやって将棋を知るのだろうか?」「どんな風な将棋の楽しみ方をしているのか?」「外国語の棋書はあるのでしょうか?」そのあたりをですね、だいたい皆さんも共通して疑問に思っていることではないかと思っているのですが、述べていきます。それと、「海外の将棋ファンが困っていること」、これは冒頭の眞田の挨拶にもありましたけれども、それについてのご説明。それから「これからどんなことが課題になるのだろうか」ということについて、ちょっとパネルトークをさせていただきたいと思います。

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 まず、インターネット上にウィキペディアという百科事典があります。インターネットというのはあまり気にしなくていいです。ただ、インターネットの上に百科事典があるんだと思っていてください。実はその百科事典が、いろいろな国の言葉で使えるようになっています。その中で「将棋」という項目が何ヶ国語であるか、というのをちょっと調べてみました。これはおとといぐらいに調べたんですけれども、38ヶ国語ありました。いちいち全部読み上げませんけれども、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系、だいたい、五大陸またがって「将棋」という項目はあります。

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 続いてですが、これはポーランドの対局サイトです。今、日本語で映っていますが、これはポーランド人が作った、いろいろなゲームの対局ができるサイトです。これは日本語になっていて、左から二番目、「オセロ」の下が「将棋」となっていますが、このサイトの特長は多言語なんですね。このメニューの画面がいろんな国の言葉で作られていて、つまり、日本人だけではなくて、いろんな国の人々がこのメニューを通じて入ってきます。この下の部分に小さくごちゃごちゃと書いてあるこの部分、35ヶ国語あるんですけれど、つまり、35ヶ国語でこういうメニューがあります。

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 次ですね。これはタイ語の画面です。この左の一番下、これが「将棋」って書いてあるんですが、タイ語なので読めませんけれども、これがタイ語の同じサイトのメニューです。ですから、この画面を通じてタイの人がここに将棋を指しに来ます。

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 これは同じサイトの中国語のメニューです。中国語も漢字ですから我々も読むことはできますが、日本将棋は一番右下に出ていますね。そこをクリックすると中国語なんですが、将棋の画面が立ち上がって、皆オンラインで将棋の対局をすることができる。そういうサイトができています。

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 最後にこれのロシア語のメニューをお見せいたします。ロシア語はですね、右側の上から四番目が「将棋」です。英語で読むと「セルン」と読めるかな、まあ、読んではいけないですね、これがロシア語で「将棋」です。ここをクリックするとまさにここが国際、なんといますか、プロレスで言えばリングですが、いろいろな国のひとがごっちゃになってひとつの将棋盤を媒介にして対局や交流ができるというサイトがインターネット上には既にありまして、世界の人々が使っています。

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  それはインターネット上の話でして、今度はリアル、対面ですね、フェーストゥフェースといいますが、実際に人と会って将棋を指す、ということがどのくらい行われているのか、ということについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。「定期的にトーナメントが行われている国・地域」ということで、アジアではまず中国で、北京、上海、香港、台湾、それから最近ではモンゴルが定期的にトーナメントを行っているところとして私のほうで把握をしています。それからヨーロッパはずいぶんとたくさんあって、伝統的に長いことやっていまして、ヨーロッパ選手権は長年、20回以上、30回かな、やっているんですが、イギリス、オランダ、ドイツ、スウェーデン、-などなどの国でトーナメントが行われています。米国大陸なんですが、米国、チリ、ブラジルなどでトーナメントが行われていることがわかっています。

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 それから世界規模の将棋大会がこれまでどれだけ開かれてきたのかということですが、これは日本将棋連盟さんが1999年に始められた国際将棋フォーラムというのがありまして、今は国際将棋フェスティバルという名前に変わっていますけれども、3年に1回世界の国の人々を集めて将棋のイベントを行う、そのプログラムのひとつに国際将棋トーナメントというのがありまして、1999年、2002年、2005年、2008年の過去4回開催がされています。それからニューヨーク将棋クラブというローカルな将棋クラブがあるんですけれども、ここが将棋普及のひとつの拠点になっていまして、ここが開催したワールド将棋チャンピオンシップが昨年に行われています。それから上海の許建東先生が世界都市対抗戦、これは中国語でなんと読むのかよくわからないのですが、普通将棋というのは個人戦なんですけれども、世界の都市から参加者を募って、都市対抗の団体戦をやろうというような世界大会が現在は行われています。今年は12月に行われる予定になっています。

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 次にどのくらいの将棋人口が世界にいるのだろうか、というところですね。上海は5-60万人ということが言われています。50万人というのは、今年の棋王戦が上海で行われたときとか、文芸春秋誌に先崎八段が上海に行って書かれたレポートなど、マスコミに出ている数字です。それから北京の李民生先生、現地で将棋の普及に尽力されている方ですけれども、彼によれば北京ではだいたい5-6万、7万ぐらいの将棋人口がいるのではないかということです。やはり中国はかなり先行して人数がいるということになっています。それ以外の国ですが、これがなかなかわかりにくいんですね。将棋協会が各国であるところとないところがあるんですが、将棋協会があってしっかり活動しているところ、たとえばフランスとかスウェーデンとかですが、そういうところでも地元の協会に加盟している人はそんなに多くはありません。だいたいまだ3桁の数字です。4桁の人数にはいっていないというのが現状です。なんですが、先程の HIDETCHI さんのビデオを見ている人で世界地図が出まして、How to Play Shogi の#1 のビデオを見た人は延べで約7万人いるわけです。それで、毎日80人から100人くらい新たに見に来ていると、いうのが今の現状ですので、そういう人がどこに居るかというのはなかなかわからない、というのが今の現状になっています。

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 次にどのくらい強い人がいるのか、ということですね。これも皆さん興味があると思うんですが、今年の夏に上海14歳の少年が奨励会試験に合格をするというニュースが出ていました。上海の許建東先生は今年だけでなく数年前から向こうの強い少年を連れてきて何回もチャレンジしていたんですけれども、漸く今年になって一人合格者が出たということで、すごく明るいニュースだと思いますが、そういう事例があります。また、これはすごく面白いんですが、この少年がさっき紹介した PlayOK というネットのサイトで指していたことがあるんですね。今年。実は今年のヨーロッパ選手権の女性の部で優勝したポーランドの19歳だか20歳だかの大学生が、ここで4局対局して22敗の指し分けだったということがわかっています。ここには棋譜を持ってきていませんが、いまでも棋譜を追えるんですが、ということで、中国はすごく人口が多いんですが、人口が少ないヨーロッパやアメリカも、トップクラスは奨励会入会試験の合格相当の強さはあるだろうな、とわたしのほうでは推定をしています。

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 それでは、海外の人がどうやって将棋を知るか、です。日本人の場合は親から将棋を学んだり、各種のメディア、テレビをつければ毎週将棋の番組があったりで将棋を知る機会も多いんですけれども、向こうの人はどうやって将棋を知るのか、ということについてちょっと話をしてみたいと思います。だいたいルートとしましては、六つくらいあるんですね。ここは最初の3つなんですけれども、その最初が学校経由のルートです。上海では許建東先生の努力によりましてなんと小中学校の正式科目になっています。要するに授業の科目になっているんですね。上海では市内の小中学校ほとんど全部で将棋が教えられているので、将棋人口が爆発的に増えている、そういうことになっています。北京なんかではまださすがに正式科目にするということにはなっていなくて、放課後の、その何というか、課外活動を行う施設に少年宮というのがあるんですが、これは社会主義国に共通する施設なんですけれど、少年宮の放課後の課外活動として将棋が教えられている、という実態があります。これは北京だけではなくてウクライナなどでもそうです。最近は、この一年くらいモンゴルとか、コートジボアール、チリなどでも学校経由で将棋を普及しようという人が現れています。

 次、これはなかなか皆さんあまりピンと来ないかもしれませんが、アニメ・マンガ経由というルートがあります。今、深夜アニメというのを、深夜だけでなく、東京12チャンネルなどでアニメをやっているんですが、それが同じ日に公式に英語の字幕がついてインターネットで海外に流れていく時代になってきています。そういうわけで非常に多くの若者が海外で日本のアニメを見ているというそういう実態がありまして、中でも、海外でものすごく人気がある「ナルト」というアニメがあるんですが、「ナルト」の中で数回将棋の印象的なシーンが出てくる場面がありまして、それを見て将棋に興味を持って、先程の HIDETCHI さんのビデオを見て、将棋にハマる、という人が出てきています。

 次のビデオゲーム経由ですね。任天堂のDSとかソニーの PSPとかですが、そのなかでセガが作っている「龍が如く」というビデオゲーム、これはやくざがでてくるビデオゲームなんですけれども、向こうでそれは英訳をされていまして、Yakuza シリーズになっているんですが、その中にミニゲームとして将棋があるんですね。そこで将棋を初めて知る、という人がいます。これはシリーズごとに本数が違うんですが、10万本以上の単位で海外に売れているということです。

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  それから、今度は直接のゲームの見本市とか、日本文化展ということで、これは先程来た尾女流初段がドイツとかフランスにいったお話をされましたが、カンヌとかパリとかでは、現地の将棋団体が、オセロだとかチェスだとかいろんなボードゲームをやる人たちが一同に集まる見本市のようなものをやるんですが、そういう場所に将棋も出張っていって将棋の宣伝をしている人たちがいます。この写真は、現地のフランス将棋協会の、フレデリック・ポチェさんだと思いますが、カンヌで地元の小学生かな、中学生かな、ちょっとわかりませんが、女の子に将棋を教えているときの写真です。

 後は日本に外国の人が留学をしたり、就職をしてきて、日本人の人と交わるときに将棋に遭遇する、これはまだあまり例は多くはないと思います。それから、昨年ですか、日本の外国語放送、NHKがですね、Begin Japanology というピーター・バラカンさんという日本人よりも日本語がうまいイギリスの人がやっている日本文化を紹介する番組で、将棋の特集を組んだことがありました。これは海外にも放映をされていまして、これを通じて将棋を知る人もいる。こういうようなルートがあります。

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 次に、どうやって向こうの人は将棋を楽しんでいるのか、ということなんですが、かなり楽しみ方が日本人と同じようになってきている部分もあるので、3つに分けてみました。1つ目が日本人とほぼ同じように楽しめること、2つめが日本人ほどではないけれども、かなり同じように楽しめること、3番目は、まだまだ日本人とは同じようには楽しめないこと という3つに分けてみました。

 

 1つめのほとんど同じように楽しめることですね、これはネットで対局をする、これは日本と海外とでほとんど差がありません。誰でも好きなときにインターネットにさえつなげればネットで将棋の対局を楽しめる時代になっています。それからタイトル戦の中継が、今日本将棋連盟さん、さまざまな団体のご努力でされていますけれども、その中継のブログにどんどん写真が載るんですが、その写真はですね、別に字が無いですから、棋士の顔ですとか、対局中の真剣なまなざしですとか、そういう写真は誰でも、海外の人も楽しめるようになっています。それから、iPhone, iPad などのスマートフォーンと呼ばれる新しい機器が出てきて急速に広がっています。IPhone, iPad 用に日本が出すソフト、将棋ソフトを出すんですけれども、そのときに必ず英語版のソフトが一緒になって入っているんですね。ですから、iPhone, iPad の世界では、海外の人が日本の人と同じ将棋ソフトを英語版で使っている、という実態が、今、もう起こっています。これはほとんど日本と同じように楽しめる楽しみ方ですね。

 2番目として、かなり同じように楽しめる楽しみ方としては、タイトル戦などの」ネット中継などの鑑賞です。日本人は日本語のコメントまで読めますけれども、外国人は日本語を読めませんので手を追うだけになります。ただ、手は追えるんで、強い人はわかると。そういう意味でかなり同じように楽しめる、としました。ネット中継時にネット上のチャット画面といいますか、そういったものに将棋好きが集まって、いまやっている将棋を観ながら、この手はいい手だとか、次はどの手だとか、詰みがあるとかないとかそういうことを英語でチャットする環境が今はできています。そういうところに外国の方が来てくれれば、かなり日本人と同じような楽しみ方ができるようになっています。それから、パソコン用の将棋ソフト、上はスマートフォン用でしたけれども、パソコン用のソフトは日本は日本語のものが多いんですけれども、Bonanzaとか Spear とか Shotest とかは海外でも人気で、Bonanza は英語版はないですが、Spear とか Shotest は英語版がありますので、こういったもので楽しむ。

 最後に日本人と同じようには楽しみにくいこと、です。まず人と人とが実際に会っての対局、ですね、これはまだまだ周りに将棋を知っている人が居ないということが多いので、難しいと思います。それから日本人でしたら毎週当たり前のように見ているテレビの将棋番組というのは、これは全くまだ海外の場合はありません。当たり前かもしれませんが、そこが違います。それから、日本人ですと、新聞を読めば将棋の情報はどの号にも載っていますし、ネットを見ればいつでも将棋の記事を読むことができます。ところが、それらは日本語で書かれていますので海外のかたはやっぱりそれをなかなか楽しむことができない。日本は将棋の情報はあふれているんですけれども、海外では将棋の情報が少ない、少ないと言われているのが現状ですね。それから棋書・棋具の購入ですが、これはネットである程度できるんですが、立ち読みをしたりとか、駒を実際に手にとって「いいつやだなあ」とか感じながら購入するというのは、日本に観光旅行にでも来ない限りできない楽しみ方です。

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 次はどうやって楽しんでいるかの実例です。こちらにスウェーデンの国旗が見えていますけれども、これはオンラインで、リアルタイムの対局ではなくて、昔の郵便将棋みたいな対局ですけれども、こういうきれいな画面でやれるようになっているんですね。わたしが後手で、後手が下になっていますけれども、向こうにいい手を指されて投了をしたところを持ってきました。99日に開始して、109日に投了したのですが、寝て、起きて、インターネット開けて、この盤面を立ち上げて、「ああ、指しているなあ、では、こちらも指し手を返すか」と、そういう形でやっていったものですが、こういう楽しみ方があります。

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 次ですが、外国で棋書は手に入るのか。ですが、入ります。上の四つは羽生さんが絡んでいるんですが、ご講演の中でありました、イギリスのトニー・ホースキングさんが自費出版しているものです。ホースキングさんのサイトとか、ネット書店のアマゾンのイギリスのサイトで買うことができます。下は将棋の入門書で、左はトレーバー・レゲットさんのもの。HIDETCHI さんのビデオが出た影響かどうかわかりませんが、昨年復刊されました。右は、もしかしたら海賊版なのかもしれないなとも思うんですが、青野先生とジョン・フェアベアンさんの共著が昨年復刊されています。それで、棋書は英語だけではないんですね。今は。

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 全部写真に出していませんが、ロシア語、中国語、モンゴル語、ポーランド語、フランス語で将棋の入門書などが発行されています。左の上から、モンゴル語、フランス語、下二つが中国語の棋書です。

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 海外の将棋ファンが困っていること、3大困りごとというのがありました。かつてはですね、相手が近所に居ない、盤駒の入手が困難、3つめ指導者が居ない、技術的情報がない、要するに技術的なサポートが難しい、というでした。これが、かつてですね。今はどうなってきているかというと、少しずつですが改善されてきています。

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 1番。相手が近くにいない。とりあえずインターネットにつなぐ、いつでも相手はいます。今。それからですね、相手が近くに居なければ、近所につくればいいじゃないか、という強気な発言ができるようになってきました、それも HIDETCHI さんのビデオがでてきたおかげなんですけれども。HIDETCHI さんのビデオをつかって自分の周りに将棋ファンを増やそうとしている人が結構いることが、ビデオのコメント欄を見るとわかります。2番目、盤駒の入手が困難という点についてですが、ネットの販売サイトの利用が広がってきました。そういう販売サイトは昔からあったんですけれど、みんなやっぱりネットに対してこわがっているところがあったんですが、徐々にネットで買い物をすることが普通のことになってきたんで、将棋の盤駒を売っているサイトもありますので、経済的に豊かな国ですと、買えます。ただし、経済的に事情のある国ではなかなかまだ盤駒を入手するのは難しいです。具体的にいうとモンゴルもそうですし、コートジボアールという国もそうなんですけれども、なかなかやはり盤駒を買って向こうで将棋を普及するというのは難しい段階です。経済の発展段階からしまして。そういうところに対しては、将棋を世界に広める界から無償で盤駒を送って、向こうで普及に力を入れている人をサポートするという活動をしています。3番目の指導者、技術情報の不足という項目ですが、やはり HIDETCHI さんの YouTube での将棋ビデオが出て以来大幅に改善をしています。先程お見せしましたように、外国語の棋書も出てきています。それから昨年起こったことなんですけれども、ネット上で日本語の棋書を英語に翻訳してウェブで公開するという動きがでました。梅田望夫さんの「シリコンバレーから将棋を観る」という本と、勝又六段の「最新戦法の話」この2つがネット上の有志の手によって英訳されてウェブ上で誰でも読めるようになっています。

 だいたい飛ばしてきましたが以上が現状です。

 それで、これからさらに将棋を世界に広めるためにということで、個人のレベルと、将棋を世界に広める界のレベルと、さらに上のレベル、ということで3つのレベルにわけて考えてみました。

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 まず一つは、個人で結構すぐできること、ですね。皆さん、将棋倶楽部24くらいしかインターネット上の対局サイトを知らなかったかもしれませんが、HIDETCHI さんが 81-Dojo というサイトを作って、それから PlayOK というサイトもあることをご紹介しましたけれども、結構もう既に外国の方がやってくる対局サイトってあるんですね、現実に。そういう外国人が多く来るサイトでまず皆さん自身が将棋を対局してみたらどうでしょうか、というのがひとつです。それから、外国人の知り合いが居る方は、自分で将棋を教えられなくても、YouTube HIDETCHI さんのビデオを見せると、自分の代わりに HIDETCHI さんおビデオが教えてくれる環境になりましたので、ぜひ外国人の知り合いの方がいたら HIDETCHI さんのビデオを教えて欲しい。それから自分に外国人の知り合いがいなくても、外国のともだちが多そうな友人はいらっしゃるんではないかとおもいます。そういう方に HIDETCHI さんのビデオの存在を教えて欲しい。それから、もうすぐクリスマスシーズンがやってきますけれども、外国人の友人に「どうぶつしょうぎ」をクリスマスプレゼントとして贈ると、かなりインパクトのある贈物になると思います。また、個人ですぐできるもうひとつのこととして、手前味噌になりますが、ぜひとも将棋を世界に広める界にご入会いただきたい、と思っています。

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 続きまして、当会としての課題ですが、これはちょっとまだ他の理事とすり合わせをしていませんので、わたしの個人的見解になることをご了承いただきたいんですが、HIDETCHI さんのビデオが出てから、中国以外の国にも、ものすごい広い範囲で将棋に興味を持つ人が存在するということがどうもわかってきています。なんですけれども、それぞれの国に地元に将棋団体がある国は多いんですね。アメリカとか、フランスとか。ところが、HIDETCHI さんのビデオをみて将棋に興味を持った人が、それらの団体とどうもまだなかなかうまく結びついていかないな、ということが見られます。そこをどう結びつけるかというところに我々の役割があるのではないかな、と。それから、まだ将棋団体がない国というのも世界中に多いんですね。そういう国には、将棋を現地で熱心に普及をしたいという人を探して、その人をサポートして、現地で将棋が立ち上がるようにしていく、そういう活動が従来以上に当会には求められてくるのではないかな、と思っています。

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 最後にもうちょっと上位な話をさせていただきます。組織的に解決が必要と思われること、特に地球規模での競争相手であるチェスとシャンチーと比較して、というちょっと大げさな見出しをつけさせていただきましたが、実は国際統括競技団体というものがチェスやシャンチーにはあります。チェスはパリに、世界チェス協会 FIDE と呼ばれますが、パリに本部があります。シャンチーは、やはり北京に、世界シャンチー協会 WXF というのががありまして、世界から加盟分担金を取って、協会を運営しながら、世界選手権とかそういう大会をやっている団体があります。今後地球がどんどんどんどん一体化してくるとそういう世界選手権というようなものをやれない競技、競技というかゲームはもしかすると中々注目を浴びにくくなるのかもしれないな、と思っていますので、今すぐというわけではないですが、国際的統括競技団体の設立の必要性ということがあるのではないかと思っています。それから、チェスの世界協会もシャンチーの世界協会も英語で明確にチェスのルール、シャンチーのルールそれから競技規則をウェブで公開しています。日本は、日本語でもまだそれがないんですね。本ではあるんですけれども、ウェブでそれが公開をされていません。日本語ですらないということで、これをやらないと、各地でローカルルールができていく可能性があるんですね。麻雀のようになってしまう。皆さんご存知のように麻雀は日本のルール中国のルールがみんな違うということがありますけれども、将棋はどっかの国では打ち歩詰めオーケーみたいなそういうことになってもらっては困るんで、これはやはりしかるべき団体が早急にルールは英語できちんとしたものを、できれば中国語も含めてウェブで公開をしていただきたいなと思っています。3番目としまして、これもチェスやシャンチーの世界協会のサイトなどを見ますと、向こうは結構自由に棋譜は自由に利用できるんですね。日本は、ここがちょっといろいろあるんでしょうけれども、「棋譜の利用が自由である」ということを言っていただくと、将棋ソフトやアプリケーションの作成にしてもなんにしてもいろいろと波及効果が大きいので、これを言っていただくといいと思います。最後は、チェスとかシャンチーとは関係のない話ですが、電子書籍というものが最近ちょっと話題になってきていますが、電子書籍で外国語の棋書というものを発行するとさきほど羽生さんも本を物理的に送るというのは結構お金がかかるという話を実は控え室でされていたんですが、電子書籍になればそこの部分がかなり安くなるので、棋譜の表示の仕方とか図面表示とかで電子書籍用に標準化をしなければならないところがあると思うので、その面をフォローしていただいて電子書籍での外国語の棋書の発行というものができるようになっていけばいいなと思っています。このようなことがやられれば、将棋の世界普及の未来は明るいのではないかなと思っています。どうもご清聴ありがとうございました。

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