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2012年1月18日 (水)

ベルギーのジャパンエキスポの将棋ブース出展者のインタビュー映像の日本語訳(1)

 昨年の11月、ベルギーで初めて「ジャパンエキスポ」が行われました。「ジャパンエキスポ」はフランスで1999年(2000年説もあります)から始まったもので、マンガ・アニメにとどまらず、日本文化全般が紹介される草の根のイベントで、昨年からフランス語圏でもあるベルギーに波及して第1回が行われたものです。そこで将棋のブースを出展していた方へのインタビュー映像が2本 YouTube にアップロードされました。その内容を日本語訳にしてお伝えします。本日は一本目で、BelgoOtakuTV の女性の方がインタビューをしています。(日本語訳は当会会員の篠原学さんによるもの)。将棋だけでなく、どうぶつしょうぎも展示をしていたことがうかがえます。(ビデオの前半は囲碁ブースの出展者へのインタビュー。将棋の部分は2:50から始まり、3分のインタビューとなっています。)

  • [Japan Expo Belgium 2011] Interviews Passerelle Japon(Shogi) - Fédération Belge du jeu de Go


YouTube: [Japan Expo Belgium 2011] Interviews Passerelle Japon(Shogi) - Fédération Belge du jeu de Go

F(女性)
こんにちは、ヴァンサン。「ベルゴタクBelgotaku」のインタヴューです。この「パスレル・ジャポン(passerelleは「橋、かけはし」の意)」では、たとえば将棋がそうだと思うんですけど、(囲碁の)他にもいろいろな活動をされているんですって?

M(男性)
ええ、おっしゃる通りで、まず料理教室、それから日本語講座――これはまあ、リエージュ大学(ULG)の協力のもとでやっていますけど。生け花はまだ始まったばかりで、宣伝はしてるんですが、もうちょっとお客さんに来ていただかないとね。……そうだな、(うしろのポスターを見ながら)他には何があるんだったかな。(インタヴュアーの女性に向き直って)ええと……

F
うしろを見ながらで構いませんよ。

M
どうも。(ポスターを見ながら)美術史の専門家と一緒に、遠足に行ったりもしますね。要するにいろんなところを見て回るわけですが、なかなかいいもんですよ。それから……

F
いろんな活動をされているんですね。どちらで行われているんですか? たとえば、活動にあわせてホールを使われたりとか?

M
ええ、リエージュには私たちのホールもあるんです。ソーシー(Saucy)大通りなんだけど、知ってます?(女性、いいえ、と首を振る)うん、まあそこにあるんですよ。

F
なるほど。こちらのブースでは、将棋を主にやってらっしゃるんですね。将棋を覚えるのはたいへんだって聞きますけど、本当にそうなんですか。

M
たしかに簡単ではありませんね。だから向こうにどうぶつしょうぎも置いてあるんです。どうぶつしょうぎというのは小さい子どものための将棋でして、あれはうちで作ってきました。

F
かわいいですね!

M
でしょう? たしか、北尾まどかさんが考案されたんじゃなかったかな。おそらく。

F
じゃあ、将棋のルールを、少し教えていただけませんか?

M
はい。ええと、どうしましょうか……

F
将棋というのがどんなゲームなのか、このインタヴューをご覧になっている皆さんにわかるように、ごく手短にお話しいただければと思います。

M
わかりました。大雑把に言えば、将棋は日本のチェスといったところですが、ただし将棋ではこちらが取った敵の駒を使うことができるんですね。これを「打つ」(parachuter:投下する)と言います。それぞれの駒……というか、多くの駒には裏と表、両方の面があって、それで「成る」ことができる。ほら、『ドラゴンボール』に「スーパーサイヤ人」ってのがいたでしょう。あんなふうに強くなれるってわけです。大雑把に言えばね。まあ……ざっとこんなところでしょうか。それでも最初のうちは簡単じゃないと思いますね。漢字を見て尻込みしてしまう、ということだってあるかもしれません。でも、一度駒の動きを覚えてしまえば、大丈夫です。

F
そうは言っても、敵と味方の駒が区別できるようには見えませんね。

M
そんなことはありません。というのもね、将棋の駒にはじっさい(チェスと違って)一色しかありませんけど、取った駒を「打つ」ときには反対の向きに置けばいいんです。駒の形で区別できます。(女性、頷く)まあ、それぞれの駒の大きさも、漢字も違うわけですが。

F
それじゃあ、こちらのブースでは、将棋の簡単な手ほどきをしていただける、というわけですか。基本的なルールとか、その他もろもろの。それですぐに将棋が指せるようになるものなんでしょうか。

M
ええ、そう思いますよ。まあ、教えないといけないことはいろいろあると思いますし、それだって、そう簡単じゃありません。チェスができる人ならいいでしょう。でも、チェスを指したことがなかったら……こっちが1マス動かしてくれと言っても、2マス動かしたりしてね。

F
私たちのお友達のヴァンサン、あっちの囲碁のブースにいますけど、彼は囲碁のほうが将棋より上だって言ってましたよ。あなたはどう答えますか。

M
将棋と囲碁は違うゲームですよ。「上だ」というのもどういうことなのか、一概には言えないでしょう。まあ、ヴァンサンってのはいい名前です。(女性、笑う)囲碁は覚えるのはやさしいけど、局面の可能性は膨大です。それこそ将棋よりずっと。もちろん将棋だって「閉じた」ゲームじゃありませんけど。チェスはどちらかと言えば「閉じて」いますね。

F
そうね。見たところ、あなた自身も、もうひとりのヴァンサンより「開放的」だと思います(笑)インタヴューに応じてくださって、どうもありがとうございました。今日はあなたもぜひ楽しんでいってください。それじゃあ、また。

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コメント

年度別の各国のチャンピオンやヨーロッパチャンピオンの名前をコナーを作って掲載して欲しいですね。
そうすれば、日本将棋の普及が進むと考えられます。
そうすれば、年度の国別チャンピオン決定戦が行われる様に成れば囲碁みたいに世界に普及すると考えます。
囲碁は年度のチャンピオンが決まるようになって世界に普及しました。

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