海外プレーヤーの棋譜 Feed

2015年1月21日 (水)

第6回国際将棋フォーラム国際トーナメントクラスBの棋譜

  • 先手 スティーブン・ケイン 後手 エクトル・アギーレ・シナガワ(メキシコ)

後手四間飛車、先手は舟囲いから5七銀左を4六に繰り出して急戦。先手が駒得になったが、後手も角を金と刺し違え、と金を作って先手陣に迫り接戦に。よく追い込んだものの最終盤で後手が玉の逃げ方を誤り、先手が即詰みに討ち取った。

<< Bクラス決勝戦 >>

  • 先手(勝) アラン・ベーカー(米国) 後手 ウーター・ド・ハース(オランダ)

先手中飛車、後手舟囲いから2枚銀に組み上げ袖飛車。先手は木村美濃から、右銀を前線に繰り出す積極策で局面をリード。互いに角が端に覗いたが、先手の角の方が急所に利いていて厳しく勝勢になりそのまま押し切った。アラン・ベーカーさんがクラスBで優勝となった。

第6回国際将棋フォーラム国際トーナメント予選3回戦の棋譜

  • 先手(勝) 張 益誌(チャン・イーチー 台湾) 後手 エクトル・アギーレ・シナガワ(メキシコ)

相振り飛車の熱戦。後手は飛車を見捨てて先手の玉頭から殺到したが駒不足に陥り、頑強に抵抗したものの先手の正確な追及に屈す。

  • 先手 ロイ・イータック(マレーシア) 後手(勝) 梁 啓雲(リョン・カイワン 香港)

先手の四間飛車に対し、後手は居飛車穴熊で対抗。先手の左銀が変則的な動きだったが、うまく捌けそうなところで失着があり、居飛車穴熊のペースに。140手まで頑張ったが後手の穴熊の玉は遠かった。

  • 先手 マイケル・マッキンベン(ニュージーランド)後手(勝) フレデリック・ヴェレイデン(ベルギー)

相矢倉戦。後手の早囲いに対し先手は引き角から素早く3筋の歩を角で交換。後手も4五ふから右銀を繰り出して激戦に。飛車を取り合った判断が悪く、矢倉場外に居た先手玉は先手先手で攻められ落城。後手の寄せは緩みがなかった。

  • 先手(勝) ステファノス・マンダラス(ギリシャ) 後手 アンドレアス・ディーアマイアー(オーストリア)

先手三間飛車に後手は、舟囲いから二枚銀にして対抗、しかし先手に十分な石田組を許し、先手が作戦勝ち。先手は左銀もくっつけて金銀四枚の囲いにし、飛車交換して優位に立ち、後手が龍を殺しに来たところを角切りで一閃。81dojoはじめネットだけで強くなった人がヨーロッパチャンピオン経験者を破った一局。

  • 先手 アスル・オルフセン(ノルウェー) 後手(勝) クリストフェー・ガリャルド(チリ)

先手矢倉に後手は右四間飛車で対抗。後手の攻めが決まりかけたが、先手の反撃で後手の角道をふさぐのに成功し混戦に。最後は駒得で先手有利になったが痛恨の頓死見落とし。後手の先手玉に迫る桂打ちが功を奏した。

  • 先手(勝) エンベル・オルロ(ペルー) 後手 ニコラ・カリディ(イタリア)

 先手の原始中飛車から、銀をどんどん前に進めていく指し方に幻惑されたか、後手は金が3三に上がり角道を自分の金で止める悪形に。しかし、その金を力強く前進させ、中盤に形勢が接近したが、そこで飛車を取り合うときに一枚金駒を損して再び先手に形勢が傾き、そのまま先手が制勝。

  • 先手 ポムモンコン・ポムピチットワタナキット(タイ) 後手 ピーター・ハイネ・ニールセン(デンマーク)

終盤戦だけ見ると相矢倉戦だったように見える一局。実は先手は中飛車で後手は舟囲いで対抗。双方玉の囲いよりも銀を前に出すのを優先した撃ち合いで、先手玉は右翼から左翼に逃避行。飛車銀交換で後手有利かと思ったが、先手の6一角の勝負手で混沌。秒読みで指運勝負となり、より正確に指しきった先手が勝利することに。

  • 先手(勝) カロリーナ・スティチンスカ(ポーランド) 後手 アルテム・コロミエッツ(ウクライナ)

 先手が三間飛車から石田流、後手は2枚銀に引き角で対抗したが、先手は飛車金交換から桂馬を手に入れる展開となり、その後もうまく攻めをつなぎ、後手玉だけ終盤という会心譜となった。

  • 先手(勝) 和田 はな(日本) 後手 アラン・ベーカー(米国)

相中飛車で17手目まで先後同型だったが、後手から手を変えた。互いに向かい飛車に振りなおしたが、先手だけ飛車先の歩を交換できて優位に。その持ち歩を生かして端攻めを成功させ、暴れてくる後手の指し手に丁寧に応接して駒得を拡大。後手は戦意喪失で投了。

2015年1月20日 (火)

第6回国際将棋フォーラム国際トーナメント予選2回戦の棋譜

  • 先手(勝) ラスロ・アブツキ(ハンガリー) 後手 エンベル・オルロ(ペルー)

後手の原始中飛車に先手は舟囲い。中盤戦の長い戦いで次第に先手が有利になり、角をうまくつかって後手がつくったと金を取り切り優勢に。端攻めのタイミングもうまく最後は即詰めにきってとった。

  • 先手 ウーター・ド・ハース(オランダ) 後手(勝) フェルナンド・バティスタ(ポルトガル)

横歩取り8五飛戦法から力戦に。先手は敵陣に打ち込んだ飛車が殺されてしまい、飛車金交換の駒損となり次第に劣勢に。最後は大技の寄せが出て後手が快勝。

  • 先手(勝) アルテム・コロミエッツ(ウクライナ) 後手 エルデニバートル・ゲンデン(モンゴル)

相振り飛車となったが、先手が穴熊、後手が美濃囲いで対抗。後手がうまく戦機をつかんで馬をつくってうまくいったとおもったが、先手にうまい受けがあり、銀損となり、その後見事な差し回しで先手が制勝。

  • 先手(勝) セルゲイ・コルチツキィ(ベラルーシ) 後手 ジョージ・フェルナンデス(米国)

先手居飛車、後手四間飛車の対抗形に。先手は居飛車穴熊、後手は高美濃に囲う。先手の仕掛けがうまくいって右桂が捌ける展開となり、また、6筋にタタキの歩の手筋も何度も出て先手が快勝。

  • 先手(勝) ロイ・イータック(マレーシア) 後手 ミッコ・トルンクビスト(フィンランド)

 先手居飛車、後手中飛車の対抗形。棒銀がうまくさばけ、銀の割打ちも決まって先手優勢に。途中中央からの後手の反撃の受けを誤り差をかなり詰められたが最後は見事な即詰みで先手の勝利。

  • 先手(勝) ヤニック・ペルティエ(スイス) 後手 カロリーナ・スティチンスカ(ポーランド)

後手のゴキゲン中飛車に先手は超速、後手は銀を4四に繰り出したが、先手も2枚目の銀を操出し、中央で苛烈な戦いに突入、秒読みで先手玉が詰むや詰まざるやの勝負となったがわずかに詰まず、先手が熱戦を制す。

  • 先手(勝) ポムモンコン・ポムピチットワタナキット(タイ) 後手 リオネル・クアシ(コートジボアール)

 相中飛車から、先手が6筋に飛車を振りなおしてうまく戦機をつかんで飛車先を突破。後手も端に角を覗いて反撃を狙ったが、秒読みで角筋を間違えて成りこんでしまいジ・エンド。

  • 先手 トー・テック・ウェイ(シンガポール) 後手(勝) ピーター・ハイネ・ニールセン(デンマーク)

先手が角交換四間飛車から向かい飛車に。後手は飛車先の歩突きを保留して玉頭に位を取って銀立ち矢倉に布陣。先手が棒銀で飛車先を突破して優勢になったが、後手の自陣への角打ちから玉のコビン攻めに対する受けを誤り逆転。

  • 先手 ミハル・モラフチーク 後手(勝) 和田はな(日本)

双方飛車を中央に振り、相中飛車。後手は金損ながら飛車を成りこむ。しかし、やはり金損は大きく、先手が制勝。

  • 先手 姚 志標(ヤオ・ジービャオ 中国) 後手(勝) ジャン・フォルタン(フランス)

横歩取りの4五角戦法に進むと思いきや、先手が定跡をはずして相横歩取りの力戦に。互いに大駒を成りあったが次第に後手が駒得なり一手勝ち。

2015年1月18日 (日)

第6回国際将棋フォーラム国際トーナメント予選1回戦の棋譜

 日本将棋連盟のご厚意により、第6回国際将棋フォーラム国際トーナメントの棋譜のコピーをいただきました。既に昨年、準決勝と決勝の棋譜を公開していますが、このエントリでは予選1回戦の棋譜を公開します。外国人プレーヤーがどのくらい指すのかお確かめください。(当日の採譜のボランティア人員が十分ではなく全対局の棋譜は必ずしも残されていませんのでご了承ください)

予選1回戦

先手(勝) 粟野 利夫(日本) 後手 ピーター・ハイネ・ニールセン(デンマーク)

 -先手の四間飛車から相穴熊に。先手は角銀交換の駒損ながら、「固い・攻めてる・切れない」の形をつくり快勝。穴熊の経験値の差が出たか。

先手(勝) アラン・ベーカー(アメリカ) 後手 ウーター・ド・ハース(オランダ)

 -米国チャンピオン経験者とヨーロッパチャンピオン経験者の対戦。先手の中飛車に後手は天守閣囲いで対抗。1筋の突き合いがなかったのを利して先手がうまく角をさばき、後手も反撃してきわどくなったもののベーカーさんが一手勝ち。

先手 エルデニバートル・ゲンデン(モンゴル) 後手(勝) ジョージ・フェルナンデス

 -先手居飛車対後手四間飛車。先手は二枚銀を操出して引き角にし、うまく飛車先を突破も後手は馬をつくって先手玉のこびんを厳しく反撃。耐え切れずに後手が勝利。

先手(勝) 顧 冠鳴(コ・ガンミン 中国) 後手 スティーブン・ケイン(英国)

 -先手5筋位取り中飛車。中盤に先手が飛車を成りこむ展開となり、その後も手堅い差し回して先手快勝。

先手(勝) セルゲイ・コルチツキィ(ベラルーシ) 後手 アルテム・コロミエッツ(ウクライナ)

 -ヨーロッパチャンピオン経験者同士の対戦。角換わりから後手が向かい飛車に。先手が打った筋違い角がよく働き、2三にできたと金が中央の銀と交換になって先手が制勝。

先手 ロイ・イータック(マレーシア) 後手(勝) ジャン・ドツェカル(チェコ)

 -相振り飛車からドツェカルさんの飛車が十字に活躍し快勝。

先手 ミハル・モラフチーク 後手(勝) アンドレアス・カプスナー 

 -モラフチークさんが痛恨の見落としで急転直下の終結

先手 ポムモンコン・ポムピチットワタナキット(タイ) 後手(勝) ジョナタン・ルイス・ラサロ(スペイン) -先手三間飛車に後手が舟囲いから先手の美濃が出来上がる前に急戦の仕掛け。先手が一方的に飛車を成れたが意外に攻め手がなく、最後は秒に追われたか痛恨の王手飛車の見落とし。

先手(勝) カロリーナ・スティチンスカ(ポーランド) 後手 大熊豊(ブラジル)

 -後手の変則的な駒組みに幻惑されず先手は中飛車から高美濃に組み上げ、うまく桂得をはたし、自陣に打ったその桂馬が2段跳ねの活躍で制勝。

2014年12月21日 (日)

第6回国際将棋トーナメントの準決勝、決勝の記譜

 12月6日、7日に行われた第6回国際将棋フォーラム in 静岡の第6回国際トーナメントの準決勝、決勝の記譜を公益社団法人日本将棋連盟から提供いただきましたので、それを再現できるようにいたします。

 決勝戦 先手 高橋 春仁(日本) 後手 ジャン・フォルタン(フランス)

 序盤で石田流に構えた先手が、後手玉頭の3四の歩を飛車を回って狙いに行ってゆさぶりをかけ、後手にだけ生角を打たせて優位を築き、その優位を着実に拡大して最後まで圧倒。後手も飛車は成れたものの届きませんでした。

 準決勝戦 先手 高橋 春仁(日本) 後手 ウラジミール・フロロシュキン(ロシア)

 先手の石田流に対し、後手は相振り飛車に。先手は玉の固さをいかして、端角の覗きから戦機をつかみ、桂銀交換の駒損ながら馬をつくって後手の壁銀の悪形をとがめて勝利。

 準決勝戦 先手 ジャン・フォルタン(フランス)後手 顧 冠鳴(中国)

 後手が角交換四間飛車から穴熊囲いにしたのにたいして、先手は2枚の銀を4段目に繰り出して、後手の自陣角を攻め、角銀交換の駒得に成功。後手が飛車を切って左桂を捌き、中央に拠点を作って銀を打ち込んできたのに対し、最強の攻め合いで対抗。後手も王手飛車をかけてしのぎに回るものの、先手の追及が厳しくついに後手玉に必死がかかりました。

2014年8月17日 (日)

2014年ヨーロッパ選手権の決勝戦の棋譜

 ハンガリーのブタペストで7月18・19日に行われた、ヨーロッパ選手権の決勝は、ポーランドのカロリーナ・ステチェンスカさんが、オーストリアのマルコ・ディエットマイヤーさんを下して優勝しました。その棋譜が、FESA(ヨーロッパ将棋連盟)のウェブページに公開されているので、それにリンクし、また、このページで記譜再現できるようにしました。

先手:Karolina Styczynska vs 後手:Marco Dietmayer



 なお、ヨーロッパ選手権および、同じ場所で行われた国対抗オープン団体戦、オープンブリッツ大会および世界将棋オープンの結果はこちらの主催者のページをご覧下さい。

2013年7月21日 (日)

ヨーロッパ選手権の結果と主な棋譜

 7月19日からベラルーシのミンスクで2日間にわたって行われたヨーロッパ選手権(ヨーロッパのレーティング上位者32名による勝ち抜きトーナメント戦)は、決勝でベラルーシのコルチッツキーさんがロシアのザパラさんを破り、優勝しました。3位決定戦では、ウクライナのコロミエッツさんがフランスのフォータンさんをくだしました。ポーランドのステチェンスカさんは、準々決勝でザパラさんに敗れました。

主な棋譜です(主催者サイトの再生画面にリンクしています)

 ヨーロッパ選手権と並行して行われているワールドオープンは91名が参加し、現地時間の日曜日に閉幕します。18日に行われたブリッツトーナメントは、67名が参加し、中井女流六段が優勝しました。

2011年11月20日 (日)

ISF2011の国際トーナメントの棋譜(2)

10月27日から30日までパリ郊外で行われた第5回国際将棋フォーラムの国際トーナメントの棋譜で、当会から訪問した理事が選手が記録していた棋譜をデジタルカメラで記録した画像などから再現した棋譜いくつか紹介します。すでに国際トーナメントで1位と2位になったフランスのJean ForinさんとLaszlo Abuczkiさんの棋譜はこちらです。

 今回は以下の5つの棋譜をお届けします。

* Caridi Nicola(イタリア)さん vs Yun Chen(中国)さん

*Yun Chen(中国)さん vs Jean Fortin(フランス)さん

*Karolina Styczyńska(ポーランド) vs Christoffersen Terje(ノルウェー)さん

* Yamaguchi Mako(日本)-Laszlo Abuczki(ハンガリー)さん

* Karolina Styczyńska  (ポーランド) vs Yamaguchi Mako(日本)さん

最初は、Nicola Caridi (イタリア)さん vs Yun Chen(中国)さんです。これはCardiさえんが優勢を築きながら秒読みに追われて大逆転という棋譜です。



 

続きを読む »

2011年11月 8日 (火)

国際将棋フォーラム、各国代表戦の1位と2位の一戦の棋譜

10月27日から30日までパリ郊外で行われた第5回国際将棋フォーラムの各国代表によるトーナメントは、22名参加の8回戦で行われ、フランスの Jean Fortin さんが1位、ハンガリーの Laszlo Abuczky さんが2位、フランスの Eric Cheymol さんが3位となりました。(成績表)3名とも 81dojo の常連で、それぞれのユーザ名は、Tellmarch, Linkuei, Futokin です。日本代表として参加した山口真子さんは、5位となりました。全勝者はなく、1位の Fortin さんが7勝1敗、2位から4位が6勝2敗で、実力拮抗のトーナメントでした。当会から現地を私費で訪れた理事の宇都宮と袴田によって、1位と2位の対戦となった、Fortin さんと Abuczky さんの対戦を含め、いくつかの棋譜を持ち帰っていますので、順次公開していきます。まず、Fortin さんと Abuczky さんの対戦です。持ち時間は各30分で、使い切ったら30秒の秒読みです。  


 戦いは、先手の Fortin さんが普通の矢倉を志向したのに対して、後手の Abuczky さんが早囲いから、銀を7四に繰り出す趣向を見せて、角交換からねじりあいの中盤となりました。先手がよかったように見えましたが、後手玉が入玉を果たし て寄りがなくなり、Abuczky さんが反撃して歩頭桂の手筋で先手玉を寄せ切りました。
 

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

Google Analytics

  • トラッキングコード