理事の寺尾が Kosice 2013の将棋展示を訪問
将棋を世界に広める会の理事の寺尾が、EUジャパンフェスト日本委員会の支援を受け、5月25、26日にスロバキアの第2の都市 Kosice (コシツェ)で、欧州文化都市のプログラムのひとつとしてスロバキア将棋協会が行った将棋展示を手伝いに訪れました。その模様を写真を中心としてレポートします。欧州文化都市は、読者にはあまりなじみのない名称かもしれませんが、1985年から30年近く続いている、都市単位の一年がかりの大規模な文化祭のようなもので、毎年、EU域内のさまざまな国の一つか二つの都市がその年の「欧州文化都市」に選ばれ、回り持ちでさまざまな芸術文化行事が通年で開催される大掛かりなもので、将棋が欧州文化都市で披露されたのは歴史上初めてのことです。(写真をクリックすると大きく表示されます。ブラウザの左矢印ボタンで元に戻ります。)
イベント前日の24日にプロペラ機で着いたKosice空港の看板。スロバキア語と英語で「欧州文化首都 Kosice 2013 にようこそ」の文字が書かれている。
展示会場。建物は3階建てのドーム屋根付きのコンサートホールの入り口の手前部分が囲碁と将棋のスペース。ほか、館内ではヨーロッパの愛好家による盆栽が100鉢以上展示され、オリエンタルな雰囲気が醸し出された。在スロバキア日本大使館から借りた畳の上に、脚付きの盤、つげ駒、解説用大盤、スロバキア語のリーフレット、棋士揮毫の扇子などを広げ、通りかかる入場者の目を惹くように工夫した。写真奥の長机のスペースで将棋や、「どうぶつしょうぎ」などを実際に手で触れられるようにした。(写真にある大盤と駒は、将棋を世界に広める会よりスロバキア将棋協会に寄付をした)。
畳の座布団の上に腰掛けて「どうぶつしょうぎ」の説明に聞き入る母子。左はスロバキア将棋協会のアダム・スカルニーさん。
26日のコンサートの本番を前に、スロバキア将棋協会と囲碁将棋協会の両方のメンバーであるルーカス・ビレテルさんと対局する東京都交響楽団の楽団員。「スロバキアのコシツェで将棋が紹介されていて、しかも指せるなんて嬉しいです」との声。奥では地元らしき女性二人が興味深そうに展示品を手に取っている。
熱心に来場者に将棋の説明をするスカルニーさん。
展示品の陳列の例。桐の平箱や、巾着の駒袋など、さまざまなものを並べて来場者の目にとまりやすいような展示となった。
陳列の説明用にスロバキア語で作られたカラー資料。駒の字体の違い、一字駒と二字駒の違い、駒の押し駒、彫り駒、彫り埋め駒、彫り埋め盛り上げ駒などの違いを図とともに説明し、実際の駒を例として白いスペースに貼り付けて展示。非常に工夫されていてこれには感心した。
三つ折のスロバキア語のチラシを広げた写真。ブースを訪れた人に配られたもの。やはり現地で一番通用している言語のチラシが用意されているとよくはける。
今回の Kosice 訪問をご支援くださった、小島EUジャパンフェスト日本委員会会長夫妻(右)も将棋ブースにお立ち寄りいただいた。左はスカルニーさんと寺尾(写真提供、EUジャパンフェスト日本委員会)
今回を皮切りにして、今後の欧州文化都市でなんらかの将棋イベントがプログラムとして組み込まれるよう考えていきたく思います(寺尾)。
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