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2015年1月22日 (木)

第6回国際将棋フォーラム国際トーナメントクラスAの棋譜

 準決勝、決勝の棋譜は既に公開しています(第6回国際将棋トーナメントの準決勝、決勝の記譜)。ここで公開するのはそれ以外の棋譜で記録が残っているものです。

  • 先手(勝) 粟野 利夫(日本) 後手 張 益誌(チャン・イーチー 台湾)

 後手2手目3二飛車戦法。先手はそれを見てから相振り飛車を選択。中盤、難しい戦いが続いたが、先手は4一角の打ち込みから十字飛車狙いの合わせ歩がうまい手筋で優勢を築き勝利。

  • 先手(勝) ウラジーミル・フロロチュキン(ロシア) 後手 ジョナタン・ルイス・ラサロ(スペイン)

先手四間飛車、後手は舟囲いから5七銀右から右桂を跳ねて急戦狙い。先手が角交換を恐れずに対応し、中盤で桂得になり、その桂馬を6四桂に打ちおろして銀と交換で銀得になり駒得拡大。後手も終盤頑張り先手玉を受けなしに追い込んだが、先手の寄せの方が早かった。

  • 先手(勝) 和田 はな(日本) 後手 カロリーナ・スティチンスカ(ポーランド)

先手中飛車、後手三間飛車の相振り飛車の出だし。先手は穴熊の堅陣に組み、飛車交換を狙う。後手は左桂を捌き、中央にと金ができるので飛車交換に応じた。どちらが早く寄りつくかという将棋になったが、最後先手が長手数の詰みを読み切って勝利。

  • 先手 シモン・ミューラー(スウェーデン) 後手(勝) ステファノス・マンダラス(ギリシャ)

先手居飛車穴熊、後手三間飛車の対抗形。先手は穴熊のハッチを閉める前に隙ありとみて開戦。わかれは上々のようだったが、途中穴熊のハッチを閉めるチャンスがあったのを見送って攻め続けたのがたたり、後手に鋭い反撃があり、後手が逆転勝利。

  • 先手(勝) コリン・ンー(カナダ) 後手 フレデリック・ヴェレイデン(ベルギー)

相矢倉模様から先手がカニカニ銀を採用。後手は面食らったか端の折衝で角と銀香の二枚換えの損な取引に自ら突っ込み、さらに5三にと金を作られてなすすべがなくなった。カニカニ銀の快勝譜。

  • 先手 ヤニック・ペルティエ(スイス) 後手(勝) ジャン・フォルタン(フランス)

先手が後手に飛車先交換を許す力戦の矢倉戦に。後手は角銀交換の駒損をいとわず強引な攻めを続け、自玉が金銀三枚で囲われ絶対に詰まない形から飛車を金と刺し違え一気の寄せに出て、先手がこらえきれず後手の勝利。

    • 先手 ポムモンコン・ポムピチットワタナキット(タイ) 後手(勝) マルコ・ディートマイアー(オーストリア)

先手三間飛車、後手は舟囲いで対抗。先手が序盤に7五歩と石田流を目指したのが不用意で、後手がすかさず戦機をつかみ急戦調の将棋となり、角交換から飛車先の歩を交換で来て有利に。先手も9八に角を打つなど手をひねり出して粘ったが後手の追及厳しく、後手の制勝。

    • 先手(勝) 高橋 晴仁(日本) 後手 李 鵬宇(リ・ペンニュー 中国)

互いに三間に飛車を回して相振り飛車に。ともに美濃囲い。後手が端を絡めて開戦したが、先手は老獪に対応して後手の角を隠居させた。しかし、後手も左桂を捌きどっちが勝ってもおかしくない局面に。116手目に3七桂成りの詰めろでなく、4七歩と垂らして詰めろをかけておけばどうなっていたか。本譜は手順に王手で後手の飛車を手に入れた先手がさらに王手で飛車を打って後手の種駒を抜いて大勢決した。

  • 先手 ラスロ・アブツキ(ハンガリー) 後手(勝) 高橋 晴仁(日本

後手が一手損角換わりダイレクト向かい飛車。先手は6五角と打ったものの激しい順に飛び込まず、駒組み合戦に。先手は香得で馬をつくる戦果を挙げたが、後手は高美濃を自ら崩す5四金から6筋を反撃。先手にもチャンスが何度かありそうな将棋だったがいつの間にか後手陣が修復され後手玉が見えなくなり、後手の勝利。

  • 先手 粟野 利夫(日本) 後手(勝) セルゲイ・コルチツキィ(ベラルーシ)

先手が四間飛車から穴熊を目指そうとしたところ、後手は地下鉄飛車の駒組みを見せたため、先手は穴に潜らず1八香を上がった美濃に変更。それでも後手は飛車を地下から2筋に回し力戦模様。以下、力のこもった応酬が続き、どちらもチャンスがある将棋に。一手30秒の秒読みの中、192手の大熱戦を後手が制した。並べていて面白い一戦。

    • 先手(勝) ウラジーミル・フロロチュキン(ロシア) 後手 クリストフェー・ガリャルド(チリ)

先手が四間飛車。先手が角交換を挑んだのを後手が4四歩で拒否したところ、その歩を十字飛車で掠め取る手を選択。序盤早々飛角交換となったが、一歩得をした先手が徐々に優位を拡大。角切りから詰めろ金取りの角打ち、飛車切りから王手銀取りの飛車打ちなど手筋を連発して勝利を不動のものに。

  • 先手(勝) 顧 冠鳴(コ・ガンミン中国) 後手 ステファノス・マンダラス(ギリシャ)

先手が三間飛車、後手は中飛車に振ったが、玉を自陣の左側に移動させ天守閣囲いを組むというあまりみない形に。力戦が続いたが、68手目の8八飛車打ちが龍と飛車がダブってしまいどうだったか。以下も熱のこもった攻防が続いたが先手が一手勝ち。

  • 先手 梁 啓雲(リョン・カイワン 香港) 後手(勝) ジャン・フォルタン(フランス)

角換わり。後手は先手が右銀を動かす前に6八玉と上がったのを見て棒銀に。先手は7七にあがった銀を8八に引く屈服形で棒銀の捌きを防いだが、後手に筋違い角を打たれて7六の歩を取られ、次第に不利に。先手は金銀四枚全部を左辺に集めて全力で受けに回ったが、後手に角切りの英断があってついに8筋を突破されることに。その後先手は後手の飛車を8筋からどかすことに成功したが後手は先手の角を召し取りついに大勢決す。

  • 先手(勝) コリン・ンー(カナダ) 後手 アンドレアス・カプスナー(ドイツ)

先手三間飛車。後手は3二金と上がってしまったため、駒組みに苦労することに。先手は歩を切った7筋に歩を垂らしてと金を作り、駒得をはたし、快勝。

  • 先手(勝) 和田 はな(日本) 後手 ジェームス・マン・ド・トレド(ブラジル)

先手中飛車。後手は右四間飛車を目指すも、5五の位を早めに取られて断念、天守閣囲いから米長玉にしてチャンスを待つことに。途中千日手模様になったところから先手が手を変え、後手も中央から動いて決戦に。64手目5五同角のところは同銀もありそうだし、82手目の2四同銀では手抜いての攻めも考えたいところだったと思うが秒読みで読み切れなかったか。先手の1四金が狙いを秘めた手で、飛車に目もくれずに3二馬となっては万事休す。

  • 先手 コリン・ンー(カナダ) 後手(勝) ウラジーミル・フロロチュキン(ロシア)

後手四間飛車。先手は居飛車で5七銀と右銀を繰り出して天守閣囲いを目指したが、後手に玉の腹が開いたところで向かい飛車にさらに振られて動かれてポイントを稼がれた。その後桂損ながら飛車を取り合ってと金で後手の囲いに迫れる形になり形勢は混沌。秒に追われたか微妙に謎な応酬が続いたが、後手の馬が3五の要所に引ける展開となり大勢決した。

  • 先手(勝) 高橋 晴仁(日本) 後手 マルコ・ディートマイアー(オーストリア)

先手三間飛車から石田流。後手の一瞬のスキをついて先手は4四の歩を掠め取り、その銀を捨てて4一の金を飛車を成りながら取ることができて優勢に。しかし後手もその龍を取ることに成功し、受け切りに活路を見出す。しかし、先手の攻めは鋭く中段で後手玉は即詰みに。

  • 先手 和田 はな 後手(勝)ジャン・フォルタン(フランス)

先手中飛車から、角交換。後手は居飛車で左銀を4四に繰り出し、さらに右銀も4六に繰り出して5五歩交換を拒否。先手は向かい飛車に振りなおして8筋の歩を伸ばしていこうとするが、1六角から7六の歩を掠め取る後手の構想が見えない手だったか。後手は飛車頭単打の歩から馬をつくるのに成功、十字飛車を決め角金交換ながら龍をつくり有利を拡大し制勝。

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