ESCベラルーシ大会に参加して(会員のレポート)
当会会員の新関さんが、7月にベラルーシのミンスクで行われたヨーロッパ選手権に参加したレポートを寄せられました。(21日追記、新関さんがビデオを作成し YouTube にアップロードしました。)
ESCベラルーシ大会に参加して ISPS会員 新関 満
~はじめに~
“定年になったら海外で将棋を指してみたい”と思い続けていた私は、「将棋を世界に広める会」を知って夢の実現に期待を膨らませて入会した。
機関紙の「かけはし」でウクライナやフランス大会の記事から、日本の伝統文化である「将棋」をこれほど多くのヨーロッパの人達が楽しんでいることを知り感激した。そして、一昨年のドイツ大会に初めて参加して以来、その感動が忘れられずその後毎年メンバーに加えて頂いている。今回は昨年のポーランド大会に続いて三回目のヨーロッパ将棋旅行となったが、この感動を皆様にお伝えし、多くの方にご参加していただきたいと思っている。
~美しい街ミンスク~
今年の開催はベラルーシ共和国の首都ミンスク市、私には想像もできないロシア圏の都市であったが市内に入ってびっくりした。車道の大通りに沿った広い歩道の両側には様々な模様の花壇が配置されており、さらに鮮やかなグリーンベルトが続いている。驚いたことにこの道路には塵ひとつ落ちてなく、“美しい街ミンスク”が深く印象に残った。
~将棋大会の楽しさ~
将棋大会は7月18日~21日の4日間に渡って開催された。
最初の大会は、Blitz(早指し選手権戦)で夕方6時に開始され、8分切れ負けの勝負を全員が8局対局するもので、私もロシアやウクライナの人達と楽しく対局し、最後にここベラルーシの大学生に敗れて入賞の期待も消えてしまった。
二日目からはヨーロッパ選手権戦と世界選手権戦が並行して開催され、各国の強豪が大熱戦を繰り広げる素晴らしい大会であった。
世界選手権戦には日本人5名が参加しヨーロッパの人達と将棋の対局を通して交流を深めた。
91名の参加者を最も驚かせたのは世界選手権戦の優勝者が日本から参加した10才の少年、伊藤匠君(写真の左側、二人の大人に挟まれている)であったことだろう。決勝戦は地元の強豪セルゲイ氏となったため大勢の観客が集まり大歓声が起こった。
多くのヨーロッパの人たちは対局ごとに棋譜をとる習慣になっている。日本の大会ではほとんど見かけないこの光景は、いつも私の心に残り彼らの将棋に対する熱意に打たれる。また、対戦は握手で始まり握手で終わる。会場での私語は最も嫌われ、日本での習慣で終了後に感想の会話などをしていると空かさず「シー」と声が上がる、静かな会場の雰囲気に浸りながら立派なマナーに感心するひとときであった。
〜指導対局に感服〜
この大会には高田六段、北尾まどか女流初段、中井広恵女流六段が参加されて華やかで豪華な交流となった。プロ棋士と対局機会など全くないこの地の人たちは列を作って順番を待っている。高田先生と中井先生は毎日朝から夜遅くまで指しておられた。感服するとともに先生方の健康も心配になった。
ISPSメンバーもそれぞれ普及活動のために奮闘した。私は子供たちとの対局を目当てに「飾り駒」のお土産を持参し、たくさんの小さな友達を作ることができた。尾関理事は各国の代表との面会や寄贈品の確認などに追われながらも、各国のメンバーを誘って懇親会を開催した。美味しいベラルーシ料理とミンスク黒ビールでの乾杯は忘れ得ない思い出になった。
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