チェコで将棋を普及している二人が来日
4月9日から14日まで、チェコからフィリップ・マレックさんとパブリナ・スムルゾワさんの二人が来日しました。二人は、情報工学を学んでいた大学在学中にたまたま第1回電王戦の記事を読み、初めて将棋の存在を知ってルールなどを調べ、非常に面白いゲームだということで、自ら漢字と動き方の記号の両方を載せてチェコの人に覚えやすい駒を作り、自らチェコ語の将棋を広めるためのウェブサイトを作り、定期的な将棋の集まりを開催し、また、チェコ国内で行われるアニメをはじめとする日本文化関連の催しで将棋を何度も紹介するコーナーを設けていました。2015年がチェコの都市プルゼニが欧州文化首都に指定していることもあり、二人がプルゼニで何らかの将棋イベントを欧州文化首都の文化行事の一環として行うことを狙って、EUジャパンフェスト日本委員会からの援助を受け、来日が決まりました。全日程のうち、9日と10日の二日間、将棋を世界に広める会理事の寺尾が二人をアテンドをしました。
9日の午前中に羽田空港に到着した後、EUジャパンフェスト日本委員会で打ち合わせをし、その盤は、日仏学院で月に2回行われている将棋チェスクラブに特別参加をしました。
9日、EUジャパンフェスト日本委員会事務局にて。右からマレックさん、スムルゾワさん、寺尾
(写真提供、マレックさん、以下同じ)
10日、日本将棋連盟の応接室にて。左は青野九段
10日朝に、二人は日本将棋連盟を訪問し、対局直前の青野九段(専務理事)と挨拶を交わし、また、王位戦挑戦者決定リーグの広瀬七段と豊島七段の対局の開始の数分間を見学しました。また、その後、将棋会館道場や売店など将棋会館内を案内され、また、日本将棋連盟の地下1階にある囲碁・将棋チャンネルのスタジオで銀河戦の収録を見学しました。二人は、将棋でテレビの専門チャンネルがあることに、「チェスではちょっと考えられない」と驚いていました。日本将棋連盟を出たあと、すぐ近くの鳩森神社に寄り、将棋堂を案内しました。午後に、四谷の(株)ねこまどに寄り、事前に注文していた「どうぶつしょうぎ」48セットを受け取りました。その際、「仲間に貸し出すための棋書がまだない」ということだっいたので、それならばと、トニー・ホスキング著の The Art of Shogi がいいと推薦し、1冊だけ在庫に残っていたのでそれも買い上げて、東京での日程を終えました。
10日、広瀬七段対豊島七段戦の対局開始を見学
10日、銀河戦の解説室にて
その後、二人は単独行動で、奈良市と天童市を訪れました。特に、天童は、舞鶴山の人間将棋の盤や、歩道の詰将棋、駒付きのポストなど、興味深い街との印象をもったとのことです。
今までチェコのパルドゥビチェで欧州選手権が過去3回開催されていますが、いずれの回もチェコ国内からの参加者が1名でした。ままあることですが、「指したい人はいるのだが、広める人がいない」状態の国でした。しかし、二人が出てきたことにより、状況は変わりつつあります。帰国後、26日にプラハで行われる"Anime Jikan"というアニメコンベンションで将棋の紹介をコンベンションの主催者から招かれて行いますし、その後も1-2ヶ月に最低1回は同様な催しで将棋の紹介をしていく予定になっています。今後に大いに期待が持てると思います。
今回の二人の訪問では、日本将棋連盟の青野専務理事、大野木理事、および、収録を見学させていただいた囲碁・将棋チャンネルのスタッフの方々、またEUジャパンフェスト日本委員会事務局の方々などに非常にお世話になりました。あつく御礼申し上げます。
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